長友佑都の経験がもたらすもの
もちろん、いくつかの問題点はあった。特に決定力不足や、スピードのあるカウンターアタックに対する脆弱さといった部分だ。だが大会直前に準備試合を行わず、1月9日のトルクメニスタンとの初戦の6日前にようやくUAE入りしたという状況では、中東の環境に適応するためチームに多少の時間が必要であることは最初から分かっていた。
例えばトルクメニスタン戦は、信じがたいほどの酷暑の中で行われた。冬の日本や欧州から集まってきた選手たちが、30℃を超えるアブダビの午後に適応するのが簡単ではないことは全く想像に難くない。
チーム内で最も経験豊富な選手である長友佑都は、彼が今なお代表チームにもたらすことができるものが何であるかを試合後に示した。日本代表がまさかの1点ビハインドで迎えたハーフタイムにチームメートたちに向けて話をしたことについてAFC公式サイトで語っている。
「1点奪われましたが、焦る必要は全くありませんでした」とガラタサライのスター選手は語る。
「とにかくポジティブになろうという話をしました。45分あれば逆転できるから問題はないと」
その4日後のオマーン戦は、再びスペクタクルとは程遠い試合になったとはいえ、初戦よりはもう少しスムーズに展開した。南野拓実が相次ぐ絶好のチャンスを得点に繋げられなかったことは少々不安を感じさせたが、昨年末に見せていた決定力の高さをまたすぐに取り戻してくれると期待したい。
ともかく原口元気のPKゴールにより1-0の勝利を収めたことで、2試合を終えた時点でグループステージの突破を確定させることができた。17日のウズベキスタンとの最終戦では「Bチーム」が起用されたが、一緒にプレーすることに慣れていない選手たちだとは思えないようなスムーズな連係も見せていたことが非常に印象的だった。