サウジアラビアのハンドルを握る男
日本代表がラウンド16で対戦するのはサウジアラビアだ。すでにグループステージ突破を決めた状況で対戦したカタールには2-0で敗れたが、中盤から多角的にパスをつないで相手ディフェンスを崩すスタイルを発揮しての惜しいチャンスも多かった。
日本にとっては意図的に守備を固めてカウンターを狙ってくる相手の方がやりにくいはずだが、ボールの主導権で優位に立たれる時間帯は必ずあるはず。そこから素早い仕掛けのパスやドリブルを粘り強く封じながら、ボールを奪い返したときにカウンターに転じるのか、一度ボールを落ち着かせて自分たちのリズムを取り戻すのかと言った状況判断も問われてくる。
速いショートパスを主体とするサウジアラビアの攻撃において全体の中でも特に注意するべき選手がアブドゥラー・オタイフ 、サレム・アル・ドサリ、ファハド・アル・ムワッラド、モハメド・アル・ブライクの4人だ。
オタイフは攻撃におけるハンドルであり、中盤の底からリズムを作り、多くのチャンスの起点になる。また2列目の選手が縦に仕掛ける際は後ろでフォローして相手の守備を分散させ、同時に奪われた時にも備える。
もともとサウジアラビア代表の一大勢力であるアル・ヒラルの中軸選手で高水準のボランチだったが、一昨年の11月から代表を指揮するピッツィ監督の指導で最も開花した選手の1人だ。
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