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日本代表 6年前

日本代表、アジアカップGL総括。予想外の苦戦続きも、ポジティブだった「総合力」の追求

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Wataru Funaki

森保監督が最も苦労したのは…

 続く2戦目はオマーンのハイラインの裏を突いた南野拓実が鋭い抜け出しを披露。前半から4回の決定機を迎えるも決めきれず、予想外の苦戦になってしまった。

 原口元気のPKによる先制点はペナルティエリア外のファウルであり、その後の長友佑都のハンド見逃しも追い風になり、日本が逃げ切ることになったが、海外メディアから判定への批判が渦巻くことになった。大迫の負傷離脱で1トップに抜擢された北川航也が萎縮して力を出し切れず、途中出場の武藤嘉紀も肩に力が入りすぎて南野と動きが重なるなど、大会前から懸念されていた大迫代役問題は先送りになった。

 そして3戦目はオマーン戦から先発10人入れ替えを断行。出場機会の少なかったメンバーが躍動し、チームを活性化する。トルクメニスタン戦に続いて前半に先制を許すも、その3分後に室屋成のクロスを前回不発に終わった武藤が値千金のヘッド。早い時間に1-1に追いつく。

 そして後半はチームとしての連係連動がスムーズになり、森保監督の広島時代の秘蔵っ子である塩谷司が豪快なミドル弾を突き刺して勝利。チーム全体の底上げが図られ、活性化もされた印象が強かった。

「アジアカップに簡単に試合は1つもない」と3度目の同大会に挑んでいる長友が言うように、1次リーグは予想以上の苦しみを味わった。

 森保監督は「国内組と海外組、海外組でも大会直前に合流した選手もいて、コンディションを合わせていくのが非常に難しかった。『1試合1試合成長していく』と話してきたが、戦術や戦い方だけでなくフィジカルコンディションとフィットネスの部分を上げなければいけないと考えていた」と指揮官は体調面のコントロールに最も苦慮したという。それが大苦戦の要因でもあった。

 1戦目と2戦目に交代枠を残したのも、出ている選手の状態を少しでも引き上げたかったから。それを質問してきた乾貴士に考えを説明し、チーム全員の前でも意思統一を図るなど、森保監督は一体感を損なわないマネージメントも進めてきた。それは日本人監督の大きな強みと言っていい。

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