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日本代表 6年前

武藤嘉紀、1192日ぶりゴールが勝利の分岐点に。データが示した大迫勇也に匹敵する貢献度

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Shinya Tanaka

1192日ぶりのゴール

武藤
43分の同点ゴールに関与した4人。青山から武藤、塩谷、室屋とつないで、最後は武藤がヘディングで仕留めた【写真:Getty Images】

 武藤は2014年9月に日本代表から初招集を受け、デビュー2戦目となった同9日のベネズエラ戦でA代表初ゴールを記録した。ところが翌2015年1月のアジアカップでは3トップの全てのポジションで起用されるなど存在感を発揮し始めるも無得点。日本代表での2得点目は2015年10月のシリア戦で、それを最後にゴールから遠ざかっていた。

 ロシアワールドカップ以来の招集となったアジアカップのグループリーグ第3戦、今回のゴールは武藤にとってずっと欲しくてたまらなかったA代表27キャップ目での3得点目。日本代表では実に1192日ぶり、3年半近い月日を経ての一発だったのである。

「なぜか代表に入ると点が取れないっていうのが本当に長く続いて、自分自身もやっぱり少し悩んだ時期もあったんですけど、今日、原口(元気)選手から試合前にも『お前らしさを全部出せば絶対決まるから』という言葉をもらって、すごく後押しになりましたし、本当に嬉しかったですね」

 原口が見ていた「武藤らしさ」は、確かにウズベキスタン戦のピッチ上で存分に発揮された。43分に生まれた同点ゴール直前の組み立ての場面で、武藤は左サイドよりの位置で一度ゴールに背を向けて青山敏弘からの縦パスを引き出した。バイタルエリアでストライカーが縦パスを引き出したことで、ウズベキスタンの陣形は全体的にゴール方向へ下がる。

 そして武藤はもらったボールを右に展開し、自らはペナルティエリア内へ。最後は北川航也がニアサイドに走って相手ディフェンスを引きつけたのを見て、少し遅れ気味にゴール前中央へ走り込んでマーカーの背後からヘディングシュートを叩き込んだ。

「スカウティングでもクロスの時に相手がかなり下がる傾向があるというのを監督もおっしゃっていましたし、そういった面で北川選手がニアサイドで潰れてくれて、自分はあそこに来るボールを待っていて、ドンピシャで素晴らしいボールが来たので、決めるだけでした」

 武藤は味方の献身を称える。とはいえスカウティングであぶり出した狙い通りのゴールによって、ウズベキスタンに傾きかけた試合の流れをつなぎとめ、日本が逆転していくきっかけを作ったのは背番号13の愚直なまでにゴールにこだわる姿勢だった。

「日本のために戦えるならどこでもやるつもり」と宣言していた武藤は、グループリーグ第2戦のオマーン戦に途中出場した後、不完全燃焼感を語るとともに「いい判断ができていなかったのは絶対に反省しなければいけない」と自らを戒めていた。

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