指揮官が挙げたターニングポイント
ようやく明るい兆しが見え始めた。17日にAFCアジアカップ2019のグループリーグ第3戦に臨んだ日本代表は、ウズベキスタン代表に2-1で逆転勝利を収めた。これでグループ首位での決勝トーナメント進出を決めるとともに、チーム内の競争はより激しさを増していくかもしれない。
森保一監督は、前の試合から先発メンバーを10人入れ替えてウズベキスタン戦に挑んだ。すでに2戦2勝で決勝トーナメント進出が確定していることもあり、「できるだけ全ての選手を使いたい」という指揮官の思惑通りの采配である。
ただ、これまで“レギュラー”と“サブ”を比較的固定しがちだったこともあって、ウズベキスタン戦に出場する“サブ”の選手たちの連係はぶっつけ本番。組織としての完成度に不安があったのは間違いない。だが、そういった懸念は無意味だったことは試合が始まってすぐに理解できた。
40分に敵陣でのスローインから一気にボールを運ばれ、エルドル・ショムロドフに先制ゴールを許したものの、日本は直後の43分に武藤嘉紀のヘディングシュートで同点に追いつく。室屋成の果敢なデュエルと絶妙なクロスから生まれたこの同点弾を、両チームの指揮官はともに試合のターニングポイントに挙げていた。
森保監督は試合後の記者会見で「1点取られた際に、そこで下を向いて頭と足を止めていたら、おそらく失点の直後に同点に追いつくことはできなかったと思いますし、時間帯にしても難しい戦いになっていたと思います。選手たちがしっかり顔を上げて、次の戦いに気持ちを切り替えて、継続してやってくれたことが後半の逆転につながったと思います」と述べていた。
この発言の直前に指揮官が口にした「継続力」という言葉を象徴していたのが、まさに重要な同点ゴールを挙げた武藤だったことに疑いはない。「本当に長らくお待たせしましたという感じですし、まあ自分自身吹っ切れた部分もあるので、今日の1点というのは非常に自分にとっても大きいものなんじゃないかなと思います」と、背番号13のストライカーは晴れ晴れとした表情で語った。