控え組が存在感を示す一方で…
1位通過のためには勝利しかなかった17日の2019年アジアカップ1次リーグ最終戦・ウズベキスタン戦。森保一監督は13日のオマーン戦から10人の大幅メンバー入れ替えに踏み切った。「私は(入れ替えを)リスクと考えず、チームとしてこの大会を総力戦で戦っていこうと考えていた」と森保監督は控え組に確固たる信頼を寄せてピッチに送り出したという。
前半こそ硬さが見られた日本だが、右サイドの伊東純也と室屋成が積極的な上がりでチャンスを作り、1トップの武藤嘉紀がスピードを生かした推進力を発揮。北川航也も過去2戦より持ち味を出すなど、チーム全体がポジティブなムードを感じさせた。
前半40分に相手右サイドからのスルーパスを槙野智章の背後に通され、そのまま持ち込まれて先制点を献上するも、わずか3分後に武藤が室屋の巧みなクロスに反応してヘッド。彼の2015年10月のイラン戦以来、3年3カ月ぶりの代表通算3点目を奪って、何とか同点に追いついた。
後半に入ると日本はさらにリズムをつかみ、青山敏弘と塩谷司の急造ボランチコンビもスムーズに機能するようになる。そんな後半13分、待望の2点目が生まれる。
室屋の右クロスを三浦弦太が競り、DFがクリアしたこぼれ球に反応した塩谷が豪快な左足ミドルを突き刺し、逆転に成功したのだ。その後、試合をクローズする1点が取れずに苦しんだものの、指揮官も終盤には遠藤航や冨安健洋らを次々と投入してゴール前をガッチリ固める。この手堅い采配も奏功。最終的に2-1で逃げ切り、アジアカップ8大会連続1位通過を現実にした。
ゴールという明確な結果を出した武藤と塩谷、両得点に絡んだ室屋、タテの推進力で相手に脅威を与え続けた伊東、新たなオプションを示した青山・塩谷コンビなど全体に収穫の多かった日本だが、やや物足りなく映ったのが失点に絡んだ槙野と三浦のセンターバックコンビと10番・乾貴士のパフォーマンスだろう。