北川に送られたエール
そして、もう1人が北川航也だ。過去2試合で出番を与えられながら消極的なプレーが目立ち、周囲を落胆させたのは事実だ。長友佑都も15日のアルアイン初練習の際、トレーニング開始前に2人だけで話し合いを持ち、ランニングの時も並走しながら意見を交換するなど、若手がやりやすい環境を作ろうと躍起になっていた。
「彼の特長をもっと出せると思うんですよ。清水でいいパフォーマンスを出せて代表で出せないことはないと思うし、代表は周りの選手のレベルも上がっている。FWなんでもっとわがままにやっていい」と背番号5はあえて北川にエールを送ったほどだ。
しかしながら、同じ1トップの大迫勇也は「僕らが引っ張るんじゃなくて下から這い上がってきてほしい。ホントにこんなチャンスないから。ましてや国際大会で試合に出るってことは日本人の中でも特別な選手しかいない。もっと先輩に怒ったっていいし、文句言ったっていい」と北川自身の奮起を強く求めた。
大迫の言葉は北川だけでなく、伊東や武藤、あるいは他のポジションの若手にも向けられているはずだ。
実際、8年前の岡崎や本田、長友はみな図々しいほど貪欲で、年長者に食らいついていった。今、そんな機運を起こしているのは南野と堂安くらいだが、ウズベキスタン戦は多くの選手にとって変化のチャンス。森保ジャパンがもっとタフで逞しい集団になるために相手を圧倒するほどの闘志と力強さを示してほしいものだ。
(取材・文:元川悦子【UAE】)
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