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チャナティップ、アジアでも燦然と輝く。札幌で飛躍…タイ代表で刻む新たな歴史

アジアカップもグループリーグ最終戦を迎えている。14日にはタイ代表がUAE代表と対戦して1-1のドローに持ち込み、47年ぶりの決勝トーナメント進出を果した。中心にいたのはチャナティップ・ソングラシン。北海道コンサドーレ札幌で大きく飛躍した小柄なMFは、アジアの舞台でも輝きを放っている。(取材・文:舩木渉【UAE】)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「タイサッカーの新たな歴史を作れた」

チャナティップ
チャナティップ・ソングラシンはタイ代表の絶対的支柱だ【写真:Getty Images】

 ピッチ上の誰よりも小さいが、存在感は誰よりも大きい。チャナティップ・ソングラシンは、身長158cmの小柄な身体から無尽蔵のエナジーを解き放ち、アジアの舞台でも躍動している。

 昨年は所属する北海道コンサドーレ札幌で大ブレイクを果たし、J1で8得点2アシストを記録。Jリーグのベストイレブンにも選出され、札幌のクラブ史上最高成績である4位への躍進に大きく貢献した。来日2年目で、今や日本国内でも屈指のアタッカーと評価されるまでになっている。

 もちろんタイ代表でも絶対的な柱の1人で、どんな時もチームに欠かせない。Jリーグのシーズンを終えて現在はアジアカップに参戦中。チーム自体が3大会ぶりの出場のため、チャナティップにとっても人生初の大舞台だ。

 だが、いきなり出鼻を挫かれた。グループリーグ初戦のインド戦、格下と思われていた相手にまさかの1-4での大敗。そして、直後にミロバン・ライェバツ監督が電撃解任された。昨年11月のAFFスズキカップで4大会ぶりに決勝進出を逃し、東南アジアの覇者としてのプライドを打ち砕かれたタイにとって、そのリベンジをかけて挑んだ大会だったが、いきなりチームは暗礁に乗り上げる。

 それでもタイは諦めなかった。新たな指揮官の下で臨んだグループリーグ2戦目はバーレーンに1-0で勝利。迎えた14日のグループリーグ第3戦、地元UAEとの大一番は相手に先制を許しながらも1-1のドローに持ち込み、勝ち点4を確保する。

 他会場では初戦でタイを破っていたインドが、91分にまさかのPKで失点し、バーレーンに敗れた。これによってタイとバーレーンが勝ち点で並んだものの、当該チーム同士の対戦成績によってタイが上回っているため2位に。アジアカップでは3位に輝いた1972年大会以来、47年ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。

 この戦いの中心には、間違いなくチャナティップがいた。UAEと引き分けてグループリーグ突破が決まった直後、髪を銀色に染め上げた小柄なMFは、いつもと変わらない屈託のない笑顔で取材エリアに現れた。

「タイサッカーや7000万人のタイ国民にとっての新たな歴史を作れて、今日はすごく嬉しいです。新しい監督やチームメイトにも感謝したいと思います」

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