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日本代表 6年前

仏 W杯、カズ落選の舞台裏。「ベンゲルが『大変だな』って。タバコを勧められたんだ」【岡田武史×小野剛 特別対談】

text by 粕川哲男 photo by Editorial Staff

世界選抜で堂々プレー。「コイツやっぱりすごいな」

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小野剛氏【写真:編集部】

――W杯出場を決めて驚いたこと、初めて知ったようなことはありましたか?

岡田 抽選会に行ったら有名な人ばっかり。みんなカンファレンスで何を話しているのかと思ったら、監督同士が直に練習試合の約束をしているの。当時の日本は国際部を通じて相手の監督に聞いて……、とにかく回りくどくてなかなか試合を組めなかった。「あっ、みんな直接やり取りして決めているんだ」と気づいた。それが2010年の南アフリカのときに役立った。片っ端から声をかけて、練習試合を組んでもらったからな。

小野 そうでしたね。

岡田 フランスのときは俺一人ポツンと浮いていた。知り合いとかいないし。あのときはヒデ(中田英寿)を連れて行ったんだよ。マルセイユで抽選会だったんだけど、その前に世界選抜の親善試合があって、日本からも1人出してくれと言われた。

小野 あぁ、ありましたね。

岡田 DFという要望だったけど、あのとき日本で一番いい選手はヒデだから打診したらOKが出て、ヒデを連れて行った。あの親善試合で堂々とプレーする姿を見て、「コイツやっぱりすごいな」と思った。それで、2人で抽選会に行ったの。

小野 そうでしたね。

(構成:粕川哲男)

▽ 小野剛(おの・たけし)

1962年8月17日生まれ。各カテゴリー日本代表チームのスカウティング(戦力分析)活動を行い、 アトランタ五輪での28年ぶりのオリンピック出場、「マイアミの奇跡」などに貢献。 その後、フランスワールドカップアジア最終予選途中、岡田監督にコーチとして抜擢された。 2002年には、サンフレッチェ広島監督としてチームを指揮。 1年でJ1復帰を果たし、13位(03年)、11位(04年)、7位(05年)と順位を上げる。 2006~2010年まで日本サッカー協会技術委員長。その後、中国の杭州緑城でヘッドコーチ、ロアッソ熊本で指揮をとり、 2019年よりFC今治の監督を務める。 2009年からFIFAインストラクターとして、世界最先端のサッカーを分析するかたわら、各国を回りサッカー発展のための活動に携わっている。

▽岡田武史(おかだ・たけし)

1956年8月25日生まれ。大阪府立天王寺高等学校から早稲田大学。大学卒業後、古河電気工業に入社しサッカー日本代表に選出。 引退後は指導者の道に進み、1997年に日本代表監督となり史上初のW杯本選出場を実現。その後、横浜F・マリノスやコンサドーレ札幌などの監督を経て、2007年から再び日本代表監督に。10 年のW杯南アフリカ大会でチームをベスト16に導く。中国・杭州緑城の監督を経て、14年11月四国リーグFC今治のオーナーに就任。日本サッカー界の「育成改革」、そして「地方創生」に情熱を注いでいる。

【了】

9784862555038

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