途中出場の武藤嘉紀も…
背番号11に代わって後半12分から登場し、30分強プレーした武藤の方も、残念ながら目に見える結果を残せなかった。森保監督からは「2点目を取ってとどめを刺してほしい」と言われてピッチに立ったが、強引なドリブルでも持ち上がった後半18分のファーストチャンスでシュートを打たず、長友へのパスを選択。ボールが短すぎて敵に奪われるなど、入りからリズムに乗れなかった。その後も南野と動きが重なったり、スペースを消し合う状況がいくつかあり、ダメ押し点を取るという重要タスクも果たせなかった。
もちろんロシア組で海外経験も豊富な分、A代表経験の浅い北川よりは堂々としていたし、ゴールに突き進む強気の姿勢も出していたが、プレミアリーグとアジアカップのインテンシティーの違いにも苦しむなど、持てる力の全てを出し切れたとは言い難い状況だった。
「ボールに触る回数を増やしたいと思っていましたけど、みんながみんな真ん中に集まっていて、僕らまで下がってしまうとさらに状況が悪くなる。北川選手もそうだったと思います。拓実との連係も、自分が行くところと拓実がどこでもらいたいかってところをコミュニケーションしていかなきゃいけない。決勝トーナメントからは『合わなかった』じゃ話にならない。しっかり突き詰めていきたいと思います」と武藤は難しさを改めて吐露した。
北川と武藤に共通するのは、森保ジャパンでのプレー時間が少ないこと。そこは絶対的1トップの大迫より難易度の高い点だ。ただ、大迫はヴァイッド・ハリルホジッチ監督体制の2016年11月のサウジアラビア戦(埼玉)で約1年半ぶりに代表復帰した際には、すぐさま周囲に溶け込んで存在感を発揮していた。森保体制でも10月シリーズからの参加だったが、堂安・南野・中島翔哉(ポルティモネンセ)の新2列目トリオと短時間で融合し、ゴールという結果を残していた。