日本が警戒すべき2選手とは
ディフェンスは基本的に4-4-2のブロックで縦にコンパクトに相手の縦を切り、サイドからの攻撃にはマンツーマン気味にはめ込んでいく。自陣深くまで押し込まれれば、逆サイドのサイドハーフが最終ラインに落ちて5バックになるなど、相手にスペースを与えない戦い方に徹する。
ただし、セカンドボールなどを奪った瞬間にスイッチを攻撃に切り替えてロングカウンターを狙うのは典型的なポゼッション型のチームと異なるところで、経験豊富なピム監督ならではだ。
攻撃のキーマンは左サイドの二枚、サイドハーフのラエド・サレハと左サイドバックのアリ・アル・ブサイディだ。サレハは“逆足”アタッカー。守備時は中盤の左サイドで奮闘するが、攻撃時は大半の時間をインサイドで過ごし、アル・ブサイディを高い位置まで引き上げる。
アル・ブサイディは単独でも縦にボールを運べる選手だが、サレハがボールを持ってディフェンスを引き付けることで、深い位置からのクロスなどに持ち込みやすくなる。
この2人には日本代表の右サイドで酒井宏樹と堂安律が相対することになる。堂安はウズベキスタン戦でアシストも記録しているアル・ブサイディについて「自分たちが押し込むことができれば、あまり相手の特徴ができないと思いますし、もし僕が守備に回っても1対1で負けるとは思ってない」と語るが「推進力のある選手で縦に縦にいけますし、ボールを持たせて1対1になると少し怖いイメージあります」と警戒はしている。
難しいのはアル・ブサイディがオフ・ザ・ボールで高めの位置を取って来ることで、酒井宏樹がサレハをチェックして堂安がアル・ブッサイディに付くと自動的に5バックに近いような形になる。これはウルグアイ戦などでサイドの高い位置を取られたときに見られた現象ではあるが、そういう形で守る時間が増えると全体の守備位置も低くなり、攻撃にパワーを割きにくくなって来る。