初戦では輝けなかった南野拓実
「よっち君(武藤)は練習でもクオリティの高いところをつねに見せている選手の1人ですし、実績を含めて頼りになる。僕はトップに入る選手によって動きを変えるというより、自分のやりたいようにやらせてもらえることが多いんで、どうなるか分かんないですけど、フレキシブルにやれればいいと思います」と南野は武藤の動きを見つつ、自身の一挙手一投足を柔軟に変化させていく考えだ。
初戦の彼は堂安の3点目をアシストするパス出しは見せたものの、前半はボールが足についていない場面が多かった。中央でムリに突っ込んで的に奪われたり、チャンスらしいチャンスも作れなかったりと公式戦の洗礼を味わった格好だ。後半に入って多少は調子が上がってきたが、後半27分に北川との交代を強いられる結果になり、本人も不完全燃焼感を色濃く覚えたに違いない。
「僕のスペースっていうのはつねに相手が警戒している部分ですし、チームとしてどう戦うかが1つのポイントになると思う。相手の戦い方によって自分たちのポジショニングを変えながら戦うことができればいい。自分的には前を向くところであったり、ゴールに向かっていくシーンは増やさないといけない。初戦もシュートは何本か打っていたので、しっかりゴールにつなげられるようにしていけばいいと思います」と彼は周囲と連係しながら、決定的な仕事のできるスペースを作っていくことに努力していくという。
オマーンは日本通のピム・ファーベク監督が指揮を執っていて、「日本は半年前から選手が入れ替わり、新たなタレントが入ってきている」とあらゆる情報を収集している様子。南野が2018年のテストマッチ5試合で4ゴールを奪ったことを熟知しているし、得点パターンも分析しているはずだ。
それだけに、相手は南野が得意とするゴール前のスペースを消そうと躍起になってくるだろう。そこで孤軍奮闘していても、トルクメニスタン戦前半の二の舞になりかねない。タテ関係の武藤、左右に位置するであろう堂安と原口との関係を生かしながらオマーン守備陣に揺さぶりをかけ、ギャップを作るようなアクションが第一も求められてくる。同時に、武藤を生かし、自身も生きるような解決策と見出すことが必要不可欠だ。