青森山田高校【写真:松岡健三郎】
【尚志 3-3(PK2-4) 青森山田 全国サッカー選手権準決勝】
全国サッカー選手権大会準決勝が埼玉スタジアム2002で12日に行われ、12時5分キックオフの第1試合では福島県代表の尚志高校と青森県代表の青森山田高校が対戦した。
7年ぶりの準決勝進出を果たした尚志は、福島県勢として初の決勝進出を目指す。青森山田は優勝した2017年以来2年ぶりの準決勝進出を目指して東北対決に臨んだ。
27分に先手を取ったのは尚志。ペナルティーエリア右でFKを獲得すると、DF沼田皇海がゴール前へ低いボールを送り、ニアポストに飛び込んだ2年生FW染野唯月がダイレクトで合わせて3試合連続となるゴールを蹴り込んだ。
そのまま前半を1点ビハインドで折り返した青森山田だが、MFバイロン・バスケスの鋭いドリブルなどで同点ゴールを狙ってチャンスを生み出す。56分にはそのバスケスがエリア内に侵入したところで倒されてPKを獲得し、MF檀崎竜孔がGKの動きをよく見て柔らかいシュートをゴール中央へ蹴り込んだ。
さらに63分には青森山田が逆転に成功。左CKから檀崎が上げたボールに192cmの長身DF三國ケネディエブスがニアで合わせ、高い打点からのヘディングでゴールネットを揺らした。
だが逆転された尚志も意気消沈することはなく再び反撃を繰り出す。68分には右サイドに侵入したMF加瀬直輝からのパスを受けた染野が絶妙なフェイントでDF陣とGKをかわし、自身2点目となる2-2の同点ゴールを流し込む。
75分には再び加瀬からのスルーパスを受けてゴール前に抜け出した染野がGKとの1対1から落ち着いてシュートを決め、尚志が3-2とスコアをひっくり返す。ハットトリックを達成した染野は得点ランク首位にも並ぶ今大会5点目。
激戦はまだ終わらない。青森山田は三國を前線に残しつつ、FW小松慧を交代で投入すると、その小松がファーストプレーで同点ゴールを生み出した。前線からチェイスをかけてエリア内でボールを奪った小松が自らシュートを流し込んでスコアは3-3に。
後半アディショナルタイムには再び前線でボールを奪った小松が抜け出したが、尚志のGK森本涼太が見事なセーブでチームを救う。尚志はその森本に代えて“PK職人”鈴木康洋を終了間際に投入してタイムアップを迎えた。
PK戦では青森山田2人目の三國がシュートをクロスバーの上へ外してしまうが、尚志は3人目、4人目が続けて失敗。最後は青森山田の1年生MF藤原優大が落ち着いてシュートを決め、2年ぶりの決勝進出を決めた。
【得点者】
27分 1-0 染野唯月(尚志)
56分 1-1 檀崎竜孔(青森山田)
63分 1-2 三國ケネディエブス(青森山田)
68分 2-2 染野唯月(尚志)
75分 3-2 染野唯月(尚志)
87分 3-3 小松慧(青森山田)
【了】