目標はセルヒオ・ラモス。東京五輪出場も視野に
初めてセンターバックとして臨んでいる、最後の全国高校サッカー選手権。大津(熊本)との3回戦は188cmの大崎舜(3年)、矢板中央(栃木)との準々決勝では191cmの望月謙(3年)と長身ストライカーとマッチアップした三國は、闘争心をむき出しにしながら相手のキーマンを封じ込めてきた。
「いまではセンターバックのほうがはるかに楽しいですね。一番の醍醐味は相手からボールを奪取する瞬間ですね。あとは自分がリーダーシップを取って最終ラインをコントロールしているので、自分が考えたコーチングで相手をはめて、ボールを奪うことも。
攻撃でもたとえばセットプレーの場面では、自分がニアでボールに触れれば得点になる確率が高い。相手も常に2枚ついてくるので、自分の背後が空くことも多い。自分がボールに触れなくても、相手をつることも考えています」
2年ぶり2度目の全国制覇まであと2勝。舞台を埼玉スタジアムに移して行われる12日の尚志(福島)との準決勝、その先に待つ14日の決勝をともに制し、集大成となる高校日本一を手土産にプロの世界へ挑みたいと三國は静かに闘志を高めている。
「プロを見すえたなかで、この選手権で自分がどれだけ力を発揮できるかが、優勝を勝ち取るうえでカギを握ってくる。相手のエースストライカーと呼ばれる選手には、絶対に負けたくない」
目標として掲げる選手は、レアル・マドリーおよびスペイン代表の最終ラインに君臨するセルヒオ・ラモス。攻守両面で個の力をさらに発揮できるように、将来的には体重を最低でも10kgは増やし、東京五輪出場も視野に入れながら、空中戦でも地上戦でも無敵を誇るセンターバックへの階段を駆け上がっていく。
(取材・文:藤江直人)
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