森保監督に改めて求められるもの
3点目の堂安律のゴールも左右に幅を取る攻撃をベースに生まれた。原口が左サイドに張った状態で、セカンドボールを起点に柴崎が中央に縦パスを入れ、相手ディフェンスにカットされたものの、そのボールを拾った大迫が南野につなぎ、右サイドからペナルティエリア内の左に流れていた堂安へ。
ターンから左足で放ったシュートがブロックに当たって方向が変わる、ややラッキーな形ではあったが、やはり後半の変更が形になって表れた。
もちろん、こうした効果や結果をもって中央で細かく崩す形が良くて、サイドハーフが幅を取る形が悪いというものではない。ただ、もともと4バックが想定された相手が5バックで中央を固めてきている状況で、そのまま正直に行って跳ね返され、前半を通して各駅停車のままになってしまったことが問題なのであり、相手を見ながら有利な方に可変させるのか、押し通すのかという判断をチームで共有することが重要だ。
森保監督は基本的なガイドラインは敷くものの、そこから先の判断を今のところ選手に委ねている部分が多いようにも見える。ただ、その判断のための引き出しは準備段階から選手に提示して行くべきだろう。今回は同じメンバーのまま調整することで解決を見出したが、そこに選手交代を伴うべき状況も出てくるはず。
トルクメニスタン戦では使った交代カードは北川航也1枚のみで、公式戦となる北川の経験不足もあってか効果的ではなかった。それも残り6試合の布石と考えれば、後々になってプラスに働くかもしれないし、現時点で断定的な評価はできない。
ともあれ初戦で勝ち点3は獲得した。ここからのチームの成長を引き続き現場から見届けて行きたい。
(取材・文:河治良幸【UAE】)
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