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日本代表 6年前

森保J、鍵を握る塩谷司の起用法。中東を知り尽くす男がアジア杯で救世主となるか

text by 舩木渉 photo by Getty Images

燃える塩谷。森保監督の起用方針は?

塩谷司
前回のアジアカップはメンバー入りも出番なし。塩谷司は4年前の悔しさを晴らそうと燃えている【写真:Getty Images】

 もし冨安が今大会ではボランチとしてプレーするなら、塩谷はセンターバックで吉田や槙野のバックアップとして考えられているはず。逆に冨安がこれまで通りセンターバックで起用されるなら、塩谷はボランチとしてプレーすることになるだろう。

 塩谷自身も「コンディションであったり、こっち(UAE)でプレーしていることであったり、いろいろなポジションをできることであったり、いろいろな条件が重なったと思うんですけど、森保さんもそうだし、他のスタッフも観てくれているということ」と、複数ポジションをこなしながら努力を重ねてきた成果が評価されていることを喜んでいた。

 そして「UAEに来たときの目標として、この大会に出られるようにというのがあったので、追加招集という形でしたけど、1つの目標に届いたというのは、自分にとっての通過点だと思います」とモチベーションも高い。4年前のアジアカップでは準々決勝で敗退するまで1試合も出場機会を得られなかったが、「森保さんは練習からフラットな目で見てくれると思うので、練習からバチバチアピールしてやっていきたい」と若い選手たちとの競争に割って入る意欲満々だ。

 リオデジャネイロ五輪にオーバーエイジ選手として出場していた“兄貴肌”の塩谷は、中島や遠藤、室屋といった選手たちのこともよく知り、Jリーグでしのぎを削った仲間たちはもちろん、A代表でともにプレーしたことのある海外組とも旧知の仲。森保ジャパンのほとんどの選手の特徴を理解したうえでチームに入ってこれていることも大きい。合流したばかりにもかかわらず6日の練習では、報道陣に公開された冒頭15分間の中で、さっそく周りの選手たちとじゃれ合う姿も見られた。

 直近ではクラブワールドカップでレアル・マドリーからのゴールを含む2得点1アシストを記録し、今季のリーグ戦では2得点4アシスト。DFながら広島時代から際立っていた得点に絡む能力も、アジアの難しい戦いの中で打開策の1つとして期待できる。

「全ての試合がタフになると思います。こっちでACLをやっていると、サポーターの威圧感がある国もありますし、怪我させてやろうという感じのプレーを出してくるチームともやっていますし、レフェリーもそうですし…いろいろな条件がすごくタフな大会になると思います」

 中東を知り尽くした男は、森保ジャパンの頼もしい救世主となるか。まずは残り2日間で全員がコンディションをできるだけ万全の状態に持っていくこと。それを前提にして、森保監督の選手起用やポジションごとの序列に注目していきたい。

(取材・文:舩木渉【UAE】)

【了】

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