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日本代表 6年前

乾貴士が生かすべきロシアW杯での財産。堂安、南野を立てながら…、ベテランが持つ意識

text by 元川悦子 photo by Getty Images

乾が心掛ける援護射撃

乾貴士
日本代表の乾貴士【写真:Getty Images】

 2列目は練習試合と同じ、堂安律、南野拓実、原口元気のトリオが続けて先発し、後から加わった乾はジョーカーと位置づけられそうだ。2018年ロシアワールドカップではコロンビア、セネガル、ベルギー戦で先発し、ポーランド戦は途中出場している通り、頭からでも切り札としても行けるところが乾の強みだ。

 しかもセネガル戦とベルギー戦で合わせて2ゴールを奪い、大舞台でチーム最多得点者となった実績は、半年が経った今も色あせることはない。

「そういうのを出せていければ一番いいですし、出していけるようにまずは初戦に向けていつチャンスが来てもいいようにやっていきたい」と本人も改めて気合を入れた。

 とはいえ、チーム内での立ち位置は確実に変化している。ロシアの時は長谷部誠、川島永嗣、本田圭佑ら年長者に引っ張られる中堅だったが、すでに乾も30歳。現在の森保ジャパンでは5番目の年長者。まさかの8強止まりに終わった2015年アジアカップ(オーストラリア)も主力としてフル参戦しており、豊富な代表経験値を誇るベテランと言っていい。

 だからこそ、本人も自分のエゴを出すのではなく、「チーム第一」の意識で戦おうとしている。自身が若手だった頃、ベテランの先輩がやってくれたように、同じ2列目を形成するであろう堂安や南野がより多くのゴールを奪えるように、援護射撃を心がけるという。

「若いチームなんで、拓実や律が点を取って乗って行ければいいですし、その中でいい連係でやっていけば、チームもどんどん成長できるチャンスがある。自分たちはそれをサポートしていかないといけない。

 自分の10番も(中島)翔哉の代わりなんで(苦笑)。10番は今も好きじゃないけど、別に番号どうこうってわけではないので、しっかり責任を持ってやっていきたいと思います」とあくまで「追加招集」という自覚を持ちつつ、仲間を立てながら自分も生きる術を見出していくつもりだ。

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