20/24…アジアに外国人監督が激増
例えばアジアカップ出場国の外国人監督数を見ると、8年前と現在の変化はより際立つ。2011年のアジアカップで、出場16ヶ国のうち外国人監督にチームを任せていたのは日本を含む10ヶ国(サウジアラビアは大会初戦に敗れてポルトガル人のジョゼ・ピネイロを解任し、自国出身の監督を据えた)。ザッケローニ監督以外に欧米で名の通った指導者はいなかった。
2015年大会では出場16ヶ国中9ヶ国が外国人監督にチームを託した。欧州で実績があったのは日本のハビエル・アギーレ監督とオマーンのポール・ル・グエン監督、イランのカルロス・ケイロス監督くらい。やはりまだ自国出身の監督を選ぶ国、あるいは著名な指導者を招へいする力のない国が多かった。
ところが4年経った今大会、出場国数は「24」に増え、そのうち「20ヶ国」が外国人監督を招いているのである。その中には中国のマルチェロ・リッピ、フィリピンのスベン=ゴラン・エリクソン、ウズベキスタンのエクトル・クーペルといった欧米の第一線で経験豊富な名将たちも含まれている。
他にもUAEのザッケローニ監督や、長期政権を築いているイランのケイロス監督をはじめ、サウジアラビアのファン・アントニオ・ピッツィ監督、韓国のパウロ・ベント監督、オマーンのピム・ファーベーク監督など各国A代表を率いてきた歴戦の猛者たちも集う。
欧州や南米の急速な発展に追いつけ追い越せで、アジアも前進しているのは間違いない。ザッケローニ監督は「昨年のワールドカップを見ても分かる通り、アジアのチームにはフィットネス面や戦術面で大きな進歩が見られた。このアジアカップでも、そのことをさらに裏付ける証拠が見られると私は確信している」と語った。
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