ザックが再びアジア王者を狙う
いよいよアジアカップが幕を開ける。5日に予定されている開幕カードは、ホスト国のUAEと同じ中東のバーレーンによる一戦だ。
4日には開幕戦に先がけて公式記者会見が行われ、筆者も出席することができた。登壇したUAE代表のアルベルト・ザッケローニ監督は、2014年まで日本代表を率いたまさにその人。65歳になったイタリア人指揮官は一昨年の10月から再びアジアで仕事をしている。
記者会見場にはUAEメディアと見られる記者が多数詰めかけ、わずかながらに日本メディアもいた。2016年に北京国安を指揮していたこともあってか、中国メディアも目立っていた。その中で質問する機会に恵まれ、次のように尋ねてみた。
「あなたの経験についてお聞きしたいと思います。ザックさん。8年前、日本代表を率いてアジアカップで優勝しました。その経験を、UAE代表のためにどのように生かすつもりですか?」
英語からアラビア語、そしてイタリア語へと2度の通訳を挟むことにはなったが、質問の意図は通じたように見えた。そして「ザックさん」のところだけ日本語にすると、ザッケローニ監督は少し微笑んで、こう答えた。
「確かに私は日本代表の監督としてアジアカップで優勝した。だが、それはかなり前のことになる。アジアカップで私が日本代表を率いていた頃に比べ、アジアのチームのパフォーマンスは大きく変わった」
日本代表がアジアカップを制したのは2011年のこと。あれから8年が経って、世界のサッカーは大きく様変わりした。その中にあって、もちろんアジアのサッカーも変化してきているのは間違いない。特に欧米のトレンドが流入するスピードは年々上がっている。