語気を強めた堂安
こうした中、真価が問われるのが、アジアカップ初参戦となる2020年東京五輪世代の冨安と堂安律(フローニンゲン)の20歳コンビだ。彼らは同じ中東で開催された2016年10月のAFC・U-19選手権(バーレーン)で優勝という成果を手にしているが、この時の最初の入りは決してよくなかった。「2年前のユースの時は自分的にあんまり調子がよくなかった。個人的に全てを出して優勝をもぎ取ったとは思っていない。今回はしっかりそういう結果を出したい」と最終的にMVPに輝いた堂安は語気を強めている。
彼の場合、勝ちにこだわりすぎるあまり、自分の力を出そう出そうとしすぎて、チームプレーとのバランスに苦しむ傾向が若い頃から強かった。2年前のバーレーンでの大会序盤はまさにそうだった。しかし年齢を重ね、海外経験を積み重ねることで、チームを勝たせる仕事にやり甲斐を感じるようになっている。
「オランダに行ってから気持ちが変わりました。ただ、ハードワークが自分の武器になってはダメ。アタッキングゾーンでの力を出せるのが自分の武器。そこは改めてこの大会で示したい」と本人は献身的守備・走りとゴール前での決定力・推進力を両立させることを意識していくという。それができて、得点やアシストを重ねられれば最高だ。その高いレベルを徹底的に追求してほしい。
一方の冨安も、2011年カタール大会で4度目のアジア制覇に貢献した若き日の吉田麻也の再来になることが期待されている。
「麻也選手と一緒に活動させてもらいながら学ぶことは多いですし、自分もこのアジアカップでどれだけ力を証明できるかが大事なポイントになる。8年前は李忠成(横浜FM)選手のボレーとかが記憶に残っている。日本はアジアの中で一番でいないといけない国だと思っていますし、ワールドカップでベスト16の壁を破るためにもアジアで絶対的な力を持っていないといけない。チーム一丸となって戦えればいい」と彼は自らの役割を明確に見据えている。