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撃ち込まれた銃弾が応援の証。狂気のアルゼンチンサッカー、その熱を唯一の日本人プロ選手が語る【インタビュー】

text by カルロス矢吹 photo by Yabuki Carlos

史上初、ボカvsリーベルの決勝

 そのコパ・リベルタドーレスで、今年“騒動”が起きたのは周知の通りだ。アルゼンチンにいた後藤の目には、一連の喧騒はどう映っていたのだろうか。

「コパ・リベルタドーレスって、アルゼンチン人にとってはリーグ戦より大事だと思うんです。とにかく負けず嫌いですからね、彼ら。コパ・リベルタドーレスはブラジルのチームと戦えるじゃないですか。そこで勝って、自分達が1番だって証明したいんですよ。それで史上初めてボカvsリーベルの決勝戦になったから、試合が決まった時からアルゼンチン国内は大騒ぎでしたよ。

 だから、スペインで決勝第2戦を開催することにはみんな凄いブーイングでしたね。コパ・リベルタドーレスって大会名が南米の独立運動の指導者達のことなのに、それを占領してたスペインでやるんですから。僕はボカの方が好きですけど、今回ばかりはリーベルが上手だったと思います。あれは監督の差ですね。クラブW杯は初戦で負けちゃいましたけど、完全に燃え尽きてましたね、リーベルは。コパの決勝が全てだったんですよ」

 ボカのチームバス襲撃は、“バーラ”と呼ばれるサポーター集団の犯行であることが既に明らかになっており、犯人達も逮捕されている。リーベルだけでなく、アルゼンチンの各クラブにあるこの“バーラ”とは一体どんな組織なのだろうか。

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