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アジア 6年前

ファンも公然と反旗を翻す。外国人オーナーが起こす数々の波紋。終焉の時は近いのか?【億万長者クラブの真実(3)】

text by ジェームズ・モンタギュー photo by Getty Images

ファンが公然と反旗を翻したソショー

 元オランダ代表で、サウサンプトンも率いた監督、ロナルド・クーマンが指揮を執って輝きを放っていた頃とは雲泥の差だが、デン・ハーグも同じような難問に直面することになる。

 デン・ハーグに起きたことと、中国資本に買収された他のクラブで起きた現象には、いくつかの共通点もあった。まずは買収されたクラブは、習近平の改革プランを押し進めるための前線基地としての役割を担っていたこと。そしてマネージメントの問題を抱えたことである。

 フランスの古豪ソショーでは、ファンがクラブの運営体制に公然と反旗を翻していた。

 チームは、フランスの3部リーグへの降格を辛うじて免れるような有様だった。さらにはクラブを仕切っていた中国企業のオーナーが破産していたからである。

「なんでプジョーは、このクラブをあんな投資家に売ったのか。それがわからない」

 ソショーのサポータークラブの一人は、こんなふうに述べた。

「ほんの数時間、ウェブをクリックして調べれば、この売却はまずいのではないかと思えるような悪い情報はすぐに見つかるんだ」

 とはいえ、チャイナマネーはヨーロッパに進出し続けてきている。2016年が夏を迎えるまでには、様々なクラブが毎週のように買収されていった。

 ACミラン、アストン・ヴィラ、フランスのニースとスペインのグラナダ。

 さらにイングランドのウォルヴァー・ハンプトン・ワンダラーズや、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンにも中国の国旗が翻る。ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンは、プレミアリーグで初めて中国人オーナーが所有したクラブだが、イングランド中西部の主なクラブは、いつの間にかすべて中国資本に買い占められていた。最終的にはアメリカ人オーナーの持ち物となったものの、スウォンジーの売却話にさえ横やりが入った。

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