「僕はベルギーにファンの数や熱さを求めてきたわけじゃない」
――それでもベルギーで結果を残すことも簡単ではないですよね。
「僕個人としては、やっぱりドルトムントとシント=トロイデンVVを比べたら全然違うと思います。もしJリーグから直接このチームに来て、今と同じくらいの結果を残せていたら『何で自分が代表に選ばれないんだ』と思ってしまうかもしれないですけど、フランクフルトを経験したことで、あそこの競争がどれだけ激しいかもわかりますから。みんなができるわけではない貴重な経験をさせてもらったと思います」
――やはり次のステップを見据える上で、自分なりの高い基準ができていて、それに向けて何をすべきかどうかわかるというのは大きなアドバンテージではないでしょうか。
「そうですね。今の自分に何が足りないのかもわかります。僕はベルギーにファンの数や熱さを求めてきたわけじゃない。今は試合に出ることが重要で、自分がどれだけできるか証明しなければいけない立場なんです」
――今季は残り半年ありますが、後半戦で自分をどこまで高めていきたいですか?
「レギュラーシーズンは残り10試合で、その中で最低限あと5得点ですね。最初からリーグ戦で15得点を目標にしていて、さらにPKを含めず15得点に乗せられれば、シーズンを通して20得点くらいは取れることになると思うんです。なおかつチームとしてはプレーオフ1に進むための6位以内に入って、上位のチームと試合をしたい。それはチームとしても、個人としてもいろいろな人に見てもらえる機会になると思います。まずはそこでプレーすることが今季の一番重要なことですかね」
――もう少し長期的な視点で自分のキャリアを見つめて、最終的な到達点として見据えている場所はどこですか?
「さっきも少し話しましたが、チャンピオンズリーグで優勝を狙えるチーム、各国のリーグ優勝を狙えるようなチームに行くのが子どもの頃からの夢だったので、そこを目指したいです。そして日本人やアジア人が所属したことのないチームでプレーしたいと思っています」
(取材・文:舩木渉【ベルギー】、取材日:2018年12月19日)
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