チームとして目指すべきところが明確に
年内のリーグ戦を無敗で乗り切ったリバプール。もちろんサポーターは悲願のプレミアリーグ制覇に大きな期待を抱いているだろう。今の強さが年明け以降も継続できれば、目標達成は問題ないはずだ。
思い返せばリバプールは新シーズン開幕前から充実していたようにも思える。チャンピオンズリーグ決勝で敗退したショックはあったが、アリソン、ファビーニョ、ナビ・ケイタ、シャキリ。的確な補強で明らかな戦力アップに成功していた。選手層も厚くなり、穴のないチームを作り上げたのだ。
もともと攻撃力は高かったが、今季は守備の奮闘が目立つ。第19節終了時点で失点数「7」は5大リーグで見渡しても最小だ。攻撃、守備の両方が強いチームが強いのは当たり前だ。そういった意味でリバプールはやはり「強い」。
お馴染みとなったフィルミーノ、サラー、マネのトリオに加わり、今季はシャキリもその攻撃陣を織りなす“4人目”の選手として活躍。アーセナル戦でも用いられた4-2-3-1はリバプールに新たな可能性を見出した。カルテットが連動して織りなす攻撃は、まさに魅惑的だ。
この日の2点目のシーンでも、フィルミーノがボールを持つとマネは必然的にパスコースを作り出そうとスピードを上げた。お互いがお互いを意識し、目指していることを素早く感じ取りサポートに回る。リバプールの前線4人にはこうした共通の意識が統率されているようにも思える。
もちろん、チームとしてもそうだ。例えば36分のシーン。フィルジル・ファン・ダイクがボールを持った瞬間、DFの背後を狙おうと3人の選手が一気に動き出した。最終的にファン・ダイクはトレント・アレキサンダー=アーノルドにパスを出し、オフサイドとなったが、ボールを持った瞬間3人が同じタイミングで動き出そうと試みるのはあまり見受けられない。チームとしての指針がしっかりしていることを表す印象的な場面の一つだった。
リーグ戦を無敗で乗り切ったリバプールの強さは2019年も継続するのか。はたまた失速するのか。いずれにしても、新年も同クラブに大きな注目が集まることだろう。
(文:小澤祐作)
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