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セリエA 6年前

ロナウド加入、真の効果。勝利への執着心、接戦の逞しさ・・・記録的ペースで得た勝ち点53

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

楽に勝ち点を稼げたわけではない

 18節終了の時点で5位にいたサンプは、高度に組織化されたサッカーでユーベを苦しめた。前半の最初のうちこそ一方的に攻められるが、試合の流れが落ち着いたところから盛り返した。守備の際には全体の布陣がコンパクトに収縮。4人が精密に動くラインディフェンスと、MFもFWも全員参加するプレスでボールを奪う。そして守備から攻撃に切り替わると、近くに距離を保った選手同士が素早くショートパスを回す。この素早い連動に、ユーベの中盤のプレスが機能しなくなる場面も多かった。30分の同点PKにつながるエムレ・ジャンのハンドは、その流れの中で得たものだった。

 若手が主体となっている個々の選手も躍動。4大リーグ初挑戦となるガンビア代表CBのオマー・コリーは、C・ロナウドやマリオ・マンジュキッチを前にしても競り合いで一歩も引かなかった。古巣を前に奮起したアルビン・エクダルや急成長中のデニス・プラートは、テクニックと運動量でユーベの中盤を振り回していた。さらにユーベの下部組織育ちのアウデーロは、少なくとも2つのビッグセーブを披露。途中出場のリッカルド・サポナーラは、利き足ではない左足で芸術的なミドルシュートをゴールへ突き刺した。

 そんな彼らは、ジャッジに泣かされた。C・ロナウドの勝ち越しPKにつながるハンドを宣告されたCBのアレックス・フェラーリは「腕は胴体にちゃんとつけていたはずなのに」と首をひねった。決まっていれば2-2となったはずの前述のサポナーラのシュートは、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を通し、その直前のプレーでサポナーラがオフサイドポジションにいたとみなされて取り消しに。

 しかもそれも、VARがなければ気づかれたかも怪しいような細かい判定だった。サッカーの内容では引き分け以上の結果に値するものを見せながら、曖昧なハンドと細かすぎるオフサイド判定に振り回されたのは確かに不憫だった。

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