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日本代表 6年前

長友佑都が口にしたかつてないほどの危機感。押し寄せる世代交代の波、アジア杯への覚悟

text by 元川悦子 photo by Getty Images

長友に託される役割

 こうした大苦戦を脳裏に焼き付けている長友は「予選リーグからギリギリの戦いで、それをみんなが1試合1試合乗り越えて成長していった。今回のチームは2011年の時に似ているのは間違いない。あの時は優勝まで行けたからよかったですけど、今のチームは壁にぶち当たった時に一気に崩れる可能性もある。正直、怖さや不安もありますよね」と8年前と今の森保ジャパンを比較しながら、懸念材料を指摘した。

 確かに新生日本代表はここまで5戦を4勝1分の無敗で乗り切ってはいるものの、あくまで親善試合に他ならない。アジアカップで勝てる保証はないのだ。

 今大会から出場国が24に増えたこともあり、タイトルを取るためには7試合を勝ち抜かなければならない。ケガ人や出場停止など困難は必ずつきまとう。そこで若く経験不足のチームを落ち着かせるのが、アジアカップ2回、ワールドカップ3回という高度な経験値を持つ長友佑都の役目である。そこは本人もしっかりと認識している点だ。

「どっしりした選手がそこにいると、後輩たち、若い選手が落ち着くっていうのは、僕が若い時に経験していること。チームがうまくいかない時こそ、安心感を与えられる選手でいたいとはつねに思っています。僕自身もどんなものをみんなに提供できるか楽しみですね」

 と、長友の前向きに語ったが、かつて川口能活や中澤佑二、中村俊輔や遠藤保仁らが作ったムードを今回は長友が演出しなければならない。

 すでに長谷部誠や本田がA代表から一線を引き、川島ら年長者もチームを離れている今、卓越した経験値を誇る長友に託される部分は少なくない。8年ぶり5度目のアジア制覇請負人として、彼はUAEで暴れ回る必要があるのだ。

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