海外メディアが注目した選手とは?
大会を通して抜群の安定感を見せた守備が印象的だったが、攻撃陣では、やはり今大会のMVPに輝いたグエン・クアン・ハイが圧倒的な存在感を放っていた。全8試合にフル出場して3ゴール2アシストを記録。
大会を取材した、ある欧州の評論家は、狭いスペースでもボールを失わず、味方に正確なパスを供給でき、さらに守備力も高いことから、グエン・クアン・ハイを“ベトナムのシャビ”と称した。
グエン・クアン・ハイのもとには、これまでに日本、韓国、タイ、南米などのクラブから獲得オファーがあったが、スズキカップの活躍でまた株を上げたため、争奪戦は一層激しいものになりそうだ。
東南アジア全土が熱狂したスズキカップは、こうして幕を閉じたが、新チャンピオンとなったベトナム代表の選手たちは、ほとんど休む間もなく、2019年1月にUAEで開幕するAFCアジアカップに向けたキャンプをスタートさせた。
今回のアジアカップには、ベトナムの他、タイとフィリピンの東南アジア3か国が予選を勝ち抜いて、本大会に出場する。
スズキカップで、鎬を削ったライバルたちも、ジャイアントキリングを虎視眈々と狙っている。次の舞台はアジア。飛躍を遂げたベトナムがどんな戦いを見せてくれるのか、大いに注目したい。
(取材・文:宇佐美淳【ベトナム】)
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