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アジア 6年前

“黄金世代”ベトナム、スズキカップ制覇で視線はアジア杯へ。栄光までの軌跡を辿る

text by 宇佐美淳 photo by Getty Images

完全アウェイでもベトナムは屈せず

 そして迎えた運命の決勝戦。対戦相手はグループリーグで一度下したマレーシアとなった。

 マレーシアは、MFチャナティップ・ソングラシン(札幌)やFWティーラシン・デーンダー(広島)、DFティーラトン・ブンマタン(神戸)など海外組が不参加だった王者タイを相手に、ホームでスコアレスドロー、アウェイで2-2の引き分け。アウェイゴール差という僅差で決勝に駒を進めてきた。

 多くのベトナムサポーターが望んでいた宿敵タイとの頂上対決こそ実現しなかったが、ホーム&アウェイで戦うことを考えると、マレーシアほど嫌な相手はいないかもしれない。マレーシアの本拠地ブキット・ジャルリ国立競技場は、東南アジア最大の収容能力を誇り、ベトナムは決勝1stレグで、8万人以上のアウェイサポーターの前で戦わなければならない。

 実際、大会3連覇を狙ったタイもマレーシアのホームゲームでは、防戦一方の展開となり、ただひたすら耐えるだけの時間が続いた。

 公式記録によると、今大会の決勝1stレグは8万8482人の観客を動員。完全アウェイの中、ベトナムは2点を先行する素晴らしい立ち上がりを見せたが、その後は、徐々にマレーシアの圧力に押されるようになり、同点に追いつかれて2-2で試合を終えた。

 引き分けたとはいえ、アウェイゴールで優位に立ったベトナムは、本拠地ミーディン国立競技場で行われた2ndレグでも序盤から積極的な姿勢を見せ、開始早々に見事な連係プレーから先制。

 その後は、逆転を目指すマレーシアの猛攻を受けたが、虎の子の1点を守り切り、1-0で完封勝ち。2試合合計3-2でマレーシアを下し、10年ぶりの東南アジア王者に返り咲いた。

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