日本人にも衝撃を与えたベトナムの成長ぶり
サッカーの東南アジア王者を決定する2年に一度のAFFスズキカップは、前評判が高かったベトナム代表の2度目の優勝で幕を閉じた。東南アジアでは強豪と見做されるベトナムだが、スズキカップ優勝は、“ベトナムの英雄”レ・コン・ビンが印象的な活躍をした2008年大会以来で、実に10年ぶりのことだ。
今回は、熱戦が続いた今大会のベトナム優勝までの軌跡を振り返ってみよう。
AFFスズキカップには、オーストラリアを除く、ASEANサッカー連盟(AFF)加盟国の11か国が参加。まず過去の2大会で成績が低かった2か国で予選を行い、本大会には、この勝者を含めた計10か国が出場。
出場国数がこれまでの8か国から10か国に拡大したほか、グループリーグで特定の開催国を設定せず、ホーム&アウェイ(ホーム2回、アウェイ2回)とするなど、今大会から一部レギュレーションの変更があった。
“ベトナムのメッシ”ことFWグエン・コン・フオン(元水戸)を筆頭とする“コン・フオン世代”、その一つ下の年代で、2017年にU-20ワールドカップ初出場を果たしたMFグエン・クアン・ハイやDFドアン・バン・ハウらを擁する現在のベトナム代表は、“黄金世代”の呼び声も高く、彼らを中心とするU-23代表は2018年に、AFC U-23選手権で準優勝、アジア大会でベスト4に進出するなど躍進。スズキカップでも優勝候補の筆頭と考えられていた。
因みに、AFC U-23選手権では、日本はベスト8止まり。アジア大会では、準優勝の日本(U-21)の方が最終成績で上回ったが、グループリーグでベトナムと対戦した時は、日本がベトナムに完敗しており、多くの日本人サッカー関係者がベトナムの急成長ぶりに衝撃を受けていた。