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セリエA 6年前

ロナウドは極めて強力、だからこそ浮かぶ懸念。ユーベを追い詰めた相手の緻密な戦術とは?

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ロナウド弾でドロー。今後へ一抹の不安も

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極めて強力だったクリスティアーノ・ロナウド【写真:Getty Images】

 そして24分、アタランタはまさにユーベの中央を叩いて同点に追いついた。中央下がり目の位置でボールを受けたゴメスが、ユーベの守備組織の間を縫って正確な縦パスを前線に通した。すると、パスを受けたドゥバン・サパタがノープレッシャーでボールを受けていた。不注意でマークを見逃し寄せていなかったレオナルド・ボヌッチの目の前で反転し、あっさり抜いてゴール前へ。GKのヴォイチェフ・シュチェスニーにはもはやどうすることも出来ず、シュートが決まった。

 さらに後半になると、ユーベは完全に自陣に押し込まれるだけになった。エムレ・ジャンにプレスが掛かり、苦し紛れにロドリゴ・ベンタンクールへパスを回せば、そこをまたプレスで狙われてボールを次々と奪われた。ボヌッチはサパタを再三見逃し、慌てて飛び出せばその裏のスペースをことごとく使われた。

 ベンタンクールは2度目の警告を食らって退場になり、挙げ句の果てにチームはサパタにヘディングシュートも許す。これもまた、エリア内でサパタがフリーになっていた。シュートが決まって2-1に。アッレグリ監督は、もうここでたまらずロナウドを投入した。

 ただアタランタにとって気の毒だったのは。その切り札がやはり極めて強力だったことだ。78分、左CKからの折り返しを目ざとく頭で押し込んだ。一度ファーにボールが流れたことを確認するや、最適なポジションをゴール前に取りいち早く動いた。点を取るための狡猾なポジショニングと、ボールが溢れると前向きに予測するポジティブな発想がなした一撃だった。

 昨シーズンの後半戦を含め、2018年に入ってからリーグ戦ではアウェイで負けのなかったユベントス。その初の敗戦となるかと思いきや、CR7に救われた存在の大きさは、こういう時により強く感じられるものだ。

 しかしながら相手が緻密な戦術を取ってきた時、ユーベであろうと苦戦するということが改めて示された。振り返ってみればこの前半戦、成績こそ突出しているものの、内容ではそれほど差がないように感じられた試合も多かった。一巡するとバレてくるといわれるのがセリエAの世界。ウインターブレイク以降、こういった試合は増えてくるかも分からない。

(取材・文:神尾光臣【イタリア】)

【了】

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