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日本代表 6年前

香川真司が語るアジアカップ。“後継者” 南野拓実が掴むべき大会制覇と個人賞、その理由

text by 元川悦子 photo by Getty Images

欧州トップクラブでプレーする重要性

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南野拓実【写真:Getty Images】

「アジアカップのテーマはチームの優勝とゴールかアシストでチームに貢献すること」と本人も語るように、まずは8年ぶりのアジア王者に返り咲くことを第一に考えなければならない。

 本田圭佑(メルボルン)、岡崎慎司(レスター)、香川の「ビッグ3」は2011年大会に優勝したから確固たる地位を築くことができた。彼らに肩を並べようと思うならやはりタイトルは絶対ノルマ。日本代表に特別な思い入れを持つ南野はその重要性を誰よりもよく分かっているに違いない。

 そのうえで、香川がアジアカップで挙げたゴール数を超えることができれば上々だ。背番号10を足掛け8年間背負った男がこの大会で挙げた得点数は合計3点。南野が2018年の森保ジャパン5試合で4ゴールを奪ったような勢いを見せれば、その数字を瞬く間に上回る可能性もゼロではない。

 仮に得点王、あるいはMVPといった個人賞を手にできれば、彼が熱望する欧州ビッグクラブへの移籍の道も開けてくるかもしれない。

 20歳になったばかりの2015年1月にセレッソからザルツブルクへ赴いた時、まさか5シーズンもこのクラブにいるとは考えていなかったはず。だが、本人の期待に反して、理想の環境からのオファーは届かず、今もまだオーストリア1部で戦わざるを得ない状況になっている。その閉塞状況を打破するためにも、アジアカップでのブレイクが欠かせない。

 8年前のアジア制覇の直後、長友佑都(ガラタサライ)がチェゼーナからインテル、岡崎が清水エスパルスからシュトゥットガルトへステップアップしたのも、アジアカップ制覇と無関係ではないだろう。

「それもチームが優勝したうえでの話。もちろんそういうことはあり得るし、チャンスだというのも分かってます。だからこそ、チームとして優勝して終えられればいいと思います」と南野は強い決意をにじませた。

 彼が真の意味での香川超えを果たそうと思うなら、やはり代表トップ下としての結果に加えて、欧州トップクラブへ赴くことが肝要だ。そのチャンスを手繰り寄せるのは自分次第。最高の状態でアジアカップに挑み、見る者を圧倒するようなベストパフォーマンスをぜひとも見せてほしい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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