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Jリーグ 6年前

町田を駆り立てた「絶対に変えてみせる」という一念。ピッチでの奮闘が切り開くJ1への道

FC町田ゼルビアは、今季のJ2を4位で終えた。本来であればJ1参入プレーオフに出場する順位ながら、クラブライセンスを持たないために見送りとなった。しかし、状況は変わりつつある。ピッチでの指揮官と選手の奮闘によってクラブの風向きは大きく好転した。(取材・文:藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

様々な思惑の「頑張れよ」

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FC町田ゼルビアの相馬直樹監督【写真:Getty Images】

 シーズンが深まるにつれて、FC町田ゼルビアを率いる相馬直樹監督の胸中には複雑な思いが芽生えては増殖していった。J1クラブに所属する知人と顔を合わせるたびに、あるいはかかってきた電話越しに「頑張れよ」と激励される回数が、目に見えて増えてきたからだ。

「もちろん、応援していただくことは非常に嬉しいんですけど……」

 苦笑しながらこう振り返る元日本代表の左サイドバックで、日本サッカー界の悲願だったワールドカップ初出場を果たした1998年のフランス大会のレギュラーを務めていた47歳の指揮官には、激励の言葉に2つの意味が込められていると感じずにはいられなかった。

 ひとつは今シーズンの開幕直後から上位争いを繰り広げてきた、J2戦線のクライマックスへ向けた叱咤激励だ。もうひとつはゼルビアがJ1クラブライセンスを交付されていないことで、最終的な成績がJ1の残留争いにも極めて大きな影響を与えることに対してのエールだ。

 割合はおそらく、後者の方が大きかっただろうか。たとえゼルビアが2位以内でシーズンを終えても、J1へ自動昇格することはできない。同時にJ1からJ2へ自動降格するチームも最下位の1チームだけとなり、17位はJ1参入プレーオフへ回り、16位は一転して残留となる。

 おりしもJ1の残留争いは、未曾有の大混戦模様を呈していた。本来ならば楽々残留を果たせる勝ち点40ポイントが、残留へのボーダーラインになることが確実視されていた10月中旬。残留争いの真っ只中にいた、サガン鳥栖の竹原稔代表取締役社長からこんな言葉を聞いた。

「町田を全力で応援しています。町田が1位か2位でフィニッシュすると、まったく世界が違ってくるので」

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