一度はクビ。それでも帰ってきたフラミニ
やはりソシエダ戦での先発起用は放出に向けたショーウィンドウだったのか。その疑念を抱えたまま迎えた21日のジローナ戦、敵地に乗り込んだヘタフェの遠征メンバーの中に柴崎の名前はなかった。そして突如「16」「フラミニ」という文字が控えメンバーのリストに現れた。
実は前半戦最後の試合の直前、18日にマテュー・フラミニの再契約が決まっていたのである。クラブ公式サイト上での正式な加入発表はなし。同日のクラブ主催のクリスマスディナーの場でアンヘル・トーレス会長がメディアに対して、夏に契約満了で放出した元フランス代表MFの再加入を明かしただけだった。その内容はクラブ公式サイト上や、『アス』紙など地元複数メディアが囲み会見の内容を伝えている。
フラミニは昨季途中に短期契約で獲得し、リーガでは8試合に出場。主力になりきれないまま夏に契約満了で放出された後は所属クラブがなく、半引退状態だった。会長によれば将来的には指導者になることを望んでいるという。そんな柴崎と得意なポジションの被る34歳のベテランを12月上旬から練習に参加させ、このタイミング、つまりアジアカップによる背番号10の離脱直前に選手として呼び戻した。
また、ヘタフェはかねてより噂のあったスペイン人MFサム・サイスをイングランド2部のリーズ・ユナイテッドから獲得。17日にすでに正式発表していたが、無所属ですぐに登録できたフラミニと違い、こちらは1月にならなければスペインで公式戦に出場できない。とはいえトップ下やサイドでのプレーを得意とする27歳は、アマト負傷離脱の穴を埋める即戦力としては十分だろう。
トーレス会長はフラミニ獲得を公表する際、「(冬の移籍市場で)新たに加入する選手はもっといると思う」と、さらなる補強を示唆。その一方で「現在所属する選手を誰も売るつもりはない。誰もここから離れず、シーズンの最後まで可能な限り高い順位を保つことが我々の意図するところだ」と現有戦力を維持しながら増員していく方針を示した。