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韓国が生んだ別格の存在、ソン・フンミン。ケインと織りなす完璧な攻撃力。土台となるあの選手もカギに

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

別格の背番号7。そして…

トッテナム
エバートン戦で輝いた3人。ソン・フンミンとケインは2ゴール、ムサ・シソコはそれを支えた【写真:Getty Images】

 この日の主役は間違いなくソン・フンミンだろう。同選手はパス、ドリブル、シュートなどすべての要素を高い次元で兼ね備えており、いまやトッテナムの中心選手として、そしてアジア最高の選手として違いを生み続けている。

 エバートン戦も2ゴール1アシストと申し分ない活躍。もちろん目に見える結果以外にも要所要所でチャンスの起点となっているなど、もはやその存在感は別格といっていいだろう。ケインやアリ、エリクセンとの距離感や連係面も素晴らしく。彼らが織りなす攻撃力は止めるのが困難だ。エバートンは厄日だったと言えるかもしれない。

 データサイト『Who Scored』によると、この日のソン・フンミンは全体で2番目に多い4本のシュートを放っている。また、同選手がパスを出した位置を見てみると、右サイドから左サイドまで各エリアに顔を出していたことがわかる。2トップの一角として先発しながら、ある程度の自由を得ており、味方のサポートに回る役割も怠らない。プラスして結果も残す。相方のケインにも同じようなことデータが残っている。

 ある程度の自由が与えながら2人がしっかりとした結果を残せるのは、お互いの意思疎通が完璧にできている証拠ではないか。トッテナムの同点弾の場面も、ケインがボールを受けた瞬間にソン・フンミンが動き出している。これは、お互いがお互いを理解し合っているこその結果で、分かり合っていなければ、あのゴールにはつながらなかっただろう。この点については見事というほかない。

 もう一人この日、目を見張る活躍をした選手がいる。ムサ・シソコだ。同選手は豊富なスタミナと推進力のある突破が持ち味であり、エバートン戦も攻守において存在感を放った。一時はマウリシオ・ポチェッティーノ監督の構想外となっていた同選手だが、ここにきてチームのスタイルに見事フィット。ケイン、ソン・フンミンの2トップの土台となる存在だ。

 今夏、トッテナムは補強を行わなかったが、彼の復調は一つの大きな補強と言えるのではないだろうか。

(文:小澤祐作)

【了】

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