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Jリーグ 6年前

鹿島、衝撃の4失点完敗を意味のある敗戦に。南米王者リーベルから学ぶべき勝利へのこだわり

text by 編集部 photo by Getty Images

リーベルが知っていた「勝ち方」

鹿島アントラーズ
安部裕葵(右)らはレアル・マドリー戦とリーベル・プレート戦で得た貴重な経験を成長につなげられるか【写真:Getty Images】

 もちろんリーベルの選手たちはマンツーマン気味に守る鹿島を戦術的に揺さぶってきていた。ボールを持つ選手を追い越す動きが頻繁にあり、2人目、3人目、4人目…と連動することで相手の組織にほころびを生み、その隙を突いていく。それでも勝利を追い求めるリーベルの執念が実り、最終的に決定的な差となってスコアに現れてきた。

 欧州王者マドリーに見せつけられた個人能力や組織力の差のみならず、南米王者にも戦いの極意を示された。この2試合で鹿島の選手たちが味わった悔しさは、彼らやクラブのこれからの成長に繋がっていくに違いない。時間とともに薄れさせることなく、今在籍している選手たちから、これからを担う選手たちへと手渡しで受け継いでいくべき貴重な経験だ。

 今後はクラブレベルで南米の強豪と本気で手合わせできる機会が減ってしまうかもしれない。まだ正式決定ではないが、現行方式でのクラブワールドカップは今年が最後で、次回からは4年に一度の開催となる可能性があるとも伝えられている。

 日本代表は来年夏にコパ・アメリカに参戦するが、ここで本物の南米を体感できるのは日本のトップレベルにいるわずかな選手たちのみ。ベテランから若手まで、より多様な選手たちが南米王者と拳を合わせることができるクラブワールドカップは貴重だった。

 一見すると0-4の大敗だが、その中身を紐解けば意味のある学びが数多く転がっている。鹿島は決して勝利への執念を持たないチームではないし、むしろ日本の中では「勝ち方を知っている」と見られている常勝軍団である。リーベルはそれを超える「勝ち方」を持っていた。攻めにおいても守りにおいても1点の重みを熟知し、それにこだわることの重要性に改めて気づかされる3位決定戦だった。

(文:編集部)

【了】

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