鹿島、南米王者に屈する
完敗だった。鹿島アントラーズがアジア王者として挑んだFIFAクラブワールドカップは、準決勝でレアル・マドリーに1-4で敗れ、3位決定戦は南米王者リーベル・プレートに0-4という衝撃的な結末だった。
2年前の同じ大会では決勝進出を果たし、そこでマドリーに2-4と肉薄したことで世界との差は縮まったかのように思われていた。だが、今回改めて突きつけられたのは、相変わらずはっきりと存在する欧州や南米のトップレベルとの歴然たる差だ。
22日に行われた3位決定戦は、なかなかモチベーションを保ちにくい条件が揃っている。ともに直前の試合に敗れて、タイトルがかかっているわけでもなく、自国の多くの同業者たちが休暇に入っている時期に、過密日程の中で未知の相手と対峙する。
ところが南米王者リーベルからは、やる気のなさやテンションの低さは感じられない。準決勝のアル・アイン戦で起用された一部の各国代表クラスのメンバーはベンチに座ったものの、代わりに抜擢された選手たちが奮闘。これから代表クラスになっていくであろう若手や、歴戦のベテランたちがスタメンに名を連ねていた。
鹿島にとっては序盤から嫌な雰囲気が漂っていた。飛び出した際に相手選手と接触した守護神のクォン・スンテが右足甲を早々に痛めてしまい。24分に曽ヶ端準と交代を余儀なくされる。もともと一度は「バツ印」が出ながら痛みをこらえて左足でプレーするなど工夫していたが、それも15分ほどで限界に達してGKに交代カードを1枚使わなければいけなくなってしまった。
そして、この交代の直後のコーナーキックでリーベルに先制点を奪われてしまう。入ったばかりの曽ヶ端は1タッチもしないまま、一瞬の出来事に立ち尽くした。これが試合の流れを決定づけることになる。