欧州カップ戦で勝てないフランス勢。その背景には…
一方ヨーロッパリーグ(EL)では、ボルドーは2勝1分3敗でグループCの3位、昨シーズン準優勝のマルセイユもなんと無勝でグループHの最下位と揃って敗退。
唯一グループKのレンヌだけが、勝ち抜けに必須だったラスト2戦2勝を実現して2位で勝ち抜けた。レンヌが決勝トーナメントで最初に対戦するのは、乾貴士がいるレアル・ベティスだ。
昨シーズンはマルセイユが決勝戦に進出したが(アトレティコ・マドリーに0-3で敗戦)、フランス勢の決勝進出は、やはりマルセイユが勝ち進んだ時から14年ぶりで、この時もスペイン勢のバレンシアに0−2で敗れた。
実はフランスは、この大会(UEFAカップ時代を含む)で一度も優勝したことがない。決勝戦に進出した回数も、優勝回数でトップから4位までを占めるスペイン、イタリア、イングランド、ドイツがそろって2桁以上なのに比べて5回と圧倒的に少ない。
『5大リーグの一角』であるはずのフランスは、優勝回数5番手の座をオランダに明け渡し、ポルトガル、スウェーデン、ロシア、ベルギー、ウクライナ、トルコにも先を越されているのだ。
その背景には、リーグアンの微妙な位置づけがある気がする。
5大リーグの中ではフランスリーグは明らかに5番手であるから、5大リーグの上位陣が集うCLでは苦戦を強いられる。
一方、ELにはフランスからはリーグ4~6番手あたりが参戦しているが、5大リーグ以外のリーグ、オーストリアやスイス、ウクライナ、カザフスタン、チェコ、デンマーク…といった国からはリーグ1、2位のクラブが参戦しているから、UEFAによるリーグの格付けは上だったとしてもそう簡単には勝たせてもらえない。
たとえば今季もオーストリアのザルツブルグは全勝でグループを勝ち抜けている。
リーグアンが、欧州内の最強リーググループと2番手グループのちょうど狭間の存在であることは、欧州カップ戦での戦況を厳しくしている一因になっているように思う。
ともあれ、マンチェスター・ユナイテッドとバルセロナとの対戦で、CLラウンド16は大いに注目を集めそうだ。
(文:小川由紀子【フランス】)
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