リーグの競争力アップに優勝争いは不可欠
バイエルンが史上初の6連覇を達成するなど、近年はシーズン終盤の優勝争いが皆無だったブンデスリーガ。さながらチャンピオンズリーグを戦う王者の練習場と化していた。
しかし今季はバイエルンの不調に、ドルトムントとボルシアMGの好調が重なり、王者の独断を許していない。そしてフォルトゥナ戦でブレーキが掛かったように、どうやらドルトムントも、そう簡単に独走しそうにない。
もちろん主将のマルコ・ロイスを筆頭に、選手たちはボルシアMGに勝つつもりで臨むだろう。ファブレ監督の古巣に勝てば、勝ち点差は「9」に広まる。余裕を持ってウィンター・ブレイクに突入することができる。
だが、ここでドルトムントが負けて上位争いが混沌とすれば、今季のブンデスリーガの魅力は増すのではないか。近年のスペインでは、レアル、バルサ、アトレティコが盛り立ててきたように、リーグ全体の競争性とレベルの向上を図るためには、“強者のデッドヒート”が不可欠だ。
ドイツのクラブが再びCLで決勝の舞台に辿り着くためにも、やはり日常的な競争、国内の切磋琢磨は必要なのではないか。21日のドルトムント対ボルシアMG戦の結果次第では、久しく無縁だった優勝争いがようやく始まるのである。
(文:本田千尋【ドイツ】)
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