1・2年生にも出場の機会を与えるべき
「出場チーム数が減ると、全国の舞台に立てるチャンスが減る。それはいかがなものか」
こういった不満や疑問を投げかけてくる方もいるでしょう。ただ、高校年代には他にも大会はあります。
前述の通り、選手権もありますし、高円宮杯プレミアリーグもあります。そういった大会に注力するスタイルを作り、高校総体の質的向上や選手の安全面確保を図っていく方が重要だと私は言いたい。
1年を通して選手を成長させるという視点に立てば、高校総体の大会運営が変化しても、そこまで大勢に影響はないのではないかとも考えます。リーグ戦と時期が重なったり、本大会前の準備期間が足りないといった問題点もあり得ますが、U-17にカテゴリーを引き下げれば、同じ選手が出ずっぱりという状況は避けられるはずです。
チーム事情を勘案しながら、U-17年代に該当する1・2年生をリーグ戦に優先させることもできるでしょう。これまでのように3年生ばかりに出場チャンスが与えられるような1年間のカレンダーであってはいけない。そこは強調しておきたい点。関係者間で積極的に議論していきたいものです。
(文:本田裕一郎)
▽本田裕一郎(ほんだ・ゆういちろう)
流通経済大学付属柏高等学校サッカー部監督。1947年静岡県生まれ。順天堂大学卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に市原緑高校サッカー部監督に就任。サッカーとは縁の薄い不毛の地からインターハイに出場する。その後86年に習志野高校に転勤し、福田健二、広山望、玉田圭司らプロ選手を多数輩出する。95年にインターハイで初の全国制覇。2001年より流通経済大学付属柏高等学校の監督を務め、07年に高円宮杯第18回全日本ユースサッカー選手権大会で全国優勝。08年1月の第86回全国高校サッカー選手権大会及び8月のインターハイも制し、3冠を達成した。