確かに怪我人は多かったが…
トップ5入りを掲げた2018年のジュビロ磐田は、苦しいシーズン送ることとなった。昨季は6位と躍進したが、立役者の川辺駿はサンフレッチェ広島に復帰。カウンターの申し子だったアダイウトン、危機察知能力を生かして守備の穴を埋めていたムサエフはシーズン序盤に大怪我を負った。さらに中村俊輔も離脱が増え、10番の不在によってセットプレーからの得点は激減した。
また、新たな武器として期待されたギレルメは、試合中に相手選手に暴力行為を働き5月に契約解除となった。新里亮は最終ラインで奮闘していたが、彼も負傷でシーズンを全うすることができなかった。
選手が揃わず、チームを作る上で大きなブレーキになったことは間違いない。そうした状況でも名波浩監督は、中盤にアンカーを置く[3-5-1-1]というシステムにもトライしている。しかし、思うような成果は得られず。2トップも導入したものの、夏場以降は6試合未勝利を経験した。その中には清水エスパルスとの静岡ダービーも含まれ、ライバル対決では1-5と叩きのめされた。
その後チームは何とか持ち直したが、最後まで残留争いを強いられることに。そして最終節、勝ち点1さえ獲得できれば残留が決まるゲームで川崎フロンターレと対戦。夏に加入した大久保嘉人が古巣からゴールを奪って先制するも、今季の課題であるセットプレーから同点とされると、後半ラストプレーで逆転を許した。
最悪の形でリーグ戦を終えた。16位は昨季までであれば自動降格だが、今季は参入プレーオフが設けられた。レギュレーションに救われた磐田は、J2の東京ヴェルディと対戦。大一番に向けて名波監督体制では異例の完全非公開で練習を積んできた。そして、小川航基と田口泰士のゴールで勝利。蓋を開けてみれば磐田が力の差を見せつけ、J1残留を手にした。
チームの目標はトップ5だっただけに大きな課題が残るシーズンとなった。来季も主力に怪我人が出るかもしれない。そうなったとしても力が落ちないようなチーム作りが求められる。