1点を返すのが精一杯。リーグ初黒星を喫す
ボールを回しているようで、回させられていたドルトムント。手をこまねいていると、 56分、フォルトゥナに追加点を許す。ペナルティエリアの右の角の外から、宇佐美のパスを受けたヤン・ツィンマーに、豪快なミドルシュートを決められてしまう。沸騰するメルクル・シュピール・アレナ。
もちろんこのまま敗北を受け入れられるはずもなく、ルシアン・ファブレ監督は60分にサンチョとアルカセルを同時投入。だが、割り切ってゴール前を固く閉ざすフォルトゥナを崩すことは、簡単ではなかった。
スイス人指揮官は、次のようなコメントを残している。
「フォルトゥナはとても深く引いてプレーした。我々はディフェンスの穴を見つけることができなかった。彼らは戦術的に良いプレーをしたね」
ドルトムントは、81分にアルカセルがヘディングで1点を返すのが精一杯だった。昇格組のフォルトゥナに1-2で敗戦。今季初の黒星を喫してしまう。
GKロマン・ビュルキは「情熱が十分ではなかった」と振り返った。容赦なく続く過密日程。「疲労」が蓄積する中、戦力の劣る昇格チームを相手に「貪欲でなければならない」ことは、難しかったかもしれない。どちらかと言うと、首位チームを迎え撃つ方が、テンションと集中を高く保ちやすかっただろう。
いずれにせよ欠けた「情熱」を取り戻して、前半戦の最終戦に望みたいところだ。次節の相手は2位のボルシアMG。ここで負けると、一挙に勝ち点差を3に縮められてしまう。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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