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鹿島のすべてを変えた男、安部裕葵の存在。いざ準決勝へ、プライドと意地が呼び込んだ勝利

現地時間15日、FIFAクラブワールドカップ準々決勝・鹿島アントラーズ対グアダラハラの一戦が行われ、3-2で鹿島が勝利している。前半は劣勢だったアジア王者だったが、後半に3点をもぎ取り、見事準決勝へ駒を進めた。立役者となったのは、19歳の安部裕葵だった。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

鹿島が手にした大きな勝利

鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズは後半に3得点を叩き出し、見事準決勝に駒を進めた【写真:Getty Images】

 レアル・マドリーと再戦へ――。ほとんどの人が、ヨーロッパ王者とのリベンジマッチを心待ちにしていることだろう。バロンドーラーのルカ・モドリッチや世界王者に輝いたフランス代表のラファエル・ヴァラン、ワールドクラスのアタッカーであるガレス・ベイルなど、各ポジションにスター選手を揃える白い巨人。確かに、鹿島アントラーズがそういった相手にどこまでできるかには注目したい。

 ただ、先のことに目が行き過ぎるあまり、準々決勝での勝利の価値が薄れているような気もするのだ。もちろん、選手たちの目指すところは頂点である。そのため、たった1つ勝っただけでそんなに評価をしないでほしいと言われるかもしれない。しかし、今は北中米カリブ王者のグアダラハラ(メキシコ)に勝利したことを素直に讃えるべきだ。それほどに、この試合を白星で終えたことは大きいのである。

 現役メキシコ代表選手を数多く揃えるグアダラハラは、簡単な相手ではなかった。フィジカル的にも技術的にも、まったく鹿島には劣っておらず、むしろ上回っている点の方が多かったかもしれない。

 そして、試合の立ち上がりは鹿島が相手の圧力に圧倒され、あっという間に先制ゴールを献上してしまう。3分、イサク・ブリスエラが右サイドを突破し、クロスを上げる。ボールは内田篤人の頭上を越え、アンヘル・サルディバルの元に行くと、同選手はこれをしっかり頭で捉え、ゴール。鹿島はいきなり窮地に立たされた。

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