鹿島が手にした大きな勝利
レアル・マドリーと再戦へ――。ほとんどの人が、ヨーロッパ王者とのリベンジマッチを心待ちにしていることだろう。バロンドーラーのルカ・モドリッチや世界王者に輝いたフランス代表のラファエル・ヴァラン、ワールドクラスのアタッカーであるガレス・ベイルなど、各ポジションにスター選手を揃える白い巨人。確かに、鹿島アントラーズがそういった相手にどこまでできるかには注目したい。
ただ、先のことに目が行き過ぎるあまり、準々決勝での勝利の価値が薄れているような気もするのだ。もちろん、選手たちの目指すところは頂点である。そのため、たった1つ勝っただけでそんなに評価をしないでほしいと言われるかもしれない。しかし、今は北中米カリブ王者のグアダラハラ(メキシコ)に勝利したことを素直に讃えるべきだ。それほどに、この試合を白星で終えたことは大きいのである。
現役メキシコ代表選手を数多く揃えるグアダラハラは、簡単な相手ではなかった。フィジカル的にも技術的にも、まったく鹿島には劣っておらず、むしろ上回っている点の方が多かったかもしれない。
そして、試合の立ち上がりは鹿島が相手の圧力に圧倒され、あっという間に先制ゴールを献上してしまう。3分、イサク・ブリスエラが右サイドを突破し、クロスを上げる。ボールは内田篤人の頭上を越え、アンヘル・サルディバルの元に行くと、同選手はこれをしっかり頭で捉え、ゴール。鹿島はいきなり窮地に立たされた。