まずは残り2試合で「勝ち点6を掴む」
今回のブレーメン戦では、20分にパコ・アルカセル、27分にマルコ・ロイスと、前半の内に2点のリードを奪ったドルトムントだったが、35分にカウンターからマックス・クルーゼの豪快な一撃を喰らってしまう。
“対ロイス”という意味では、ブレーメンは対策を講じて来なかった。よって比較的自由にプレーすることができた主将は、アルカセルやジェイドン・サンチョと絡んで何度もチャンスを演出した。しかし“対ドルトムント”という点では、敵将のフロリアン・コーフェルト監督が無策だったわけではない。
大迫勇也は次のように振り返る。
「しっかり勇気を持って、前からプレッシャーを掛けてっていうことで、ここ5試合、6試合くらい前から、それが出来ていなかったので、それをもう一回、チーム全体でやろうっていう風には心掛けましたね」
ドルトムントはブレーメンの「プレッシャー」に苦しみ、何度もカウンターを許した。大迫が手応えを語る。
「システムがハマったのが1番だと思うし、いい追い込み方ができていたかなあと思いますね」
また、68分にアルカセルのパスにジェイドン・サンチョが抜けだし、GKジリ・パブレンカと1対1の場面を迎えたが決め切れなかったように、いつもと比べれば、このブレーメン戦でドルトムントの選手たちはフィニッシュの精度を欠いた。ロイスは「早い段階で3-1にしなければならなかった」と振り返っている。
不必要なボールロストを避けることと、最後の局面におけるフィニッシュの精度の向上。“秋の王者”を確定したとは言え、課題は抽出される。
ブレーメン戦を終えて、ディレイニーは次のように意気込む。
「何よりウインターブレイクまでに勝ち点6を掴む」
“仮の称号”に囚われず、“勝った試合で上手くいかなかったこと”から目を逸らさなければ、残り2試合で「勝ち点6を掴む」ことができるはずだ。
(取材・文:本田千尋【ドイツ】)
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