アジアカップの結果はコパ・アメリカにも影響?
新たな日本代表を背負うことが期待される選手たちが大会を通して成長していけば優勝の可能性は高まり、彼らが大会で得た経験や自信がその後のさらなる飛躍につながることは間違いない。だが、森保監督が大会の勝利にこだわる中で主力に頼り、サブの選手を有効活用できないまま敗退してしまうリスクもある。
特にベンチで控える選手に経験がないと、勝負所でスタメンを代えにくい。やはり1ヶ月で最大7試合を戦う今回のアジアカップでは、疲労の蓄積や累積警告、怪我のリスクが大きいことに加え、固定メンバーでは対戦相手に研究されやすい。
11月のキリンチャレンジカップの2試合では主力とサブの差が出てしまったところがあった。だからこそ復帰組の浅野はもちろん、今回のメンバーでは“抜てき”と言える北川、中島翔哉や堂安律ら2列目の主力選手とは違う特徴を持つ伊東純也などが重要なジョーカーとして、試合によってはスタメンとして森保監督の起用に応えられるかが、7試合を戦い抜いて優勝にたどり着く鍵になる。
アジアカップのパフォーマンスと結果が、その後の選考に大きく影響することは間違いない。森保監督は「いい試合をすることで、今回招集できなかった選手にも刺激になって、日本サッカー全体のレベルアップになるのではないか」とも語る。
特に来年6月のコパ・アメリカは「しっかりとしたA代表」で臨むことが明らかになったが、招待を受けた他大陸選手権においてクラブに選手の供出義務がない事情もあって、アジアカップから招集メンバーが大きく変更される可能性が高い。
そういう意味でもアジアカップで良い結果を残し、大会を経験した選手が成長するとともに、選ばれなかった選手も奮起する形で森保ジャパンの“ラージファミリー”が出来上がっていく流れが理想的だ。
(文:河治良幸)
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