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ポテンシャルはイブラ級!? 東京五輪世代の19歳、いわきFC・小枇ランディとは何者か【いわきFCの果てなき夢】

シリーズ:いわきFCの果てなき夢 text by 藤江直人 photo by Editorial Staff

ポテンシャルの開放

 ルーキーながらランディは開幕戦から起用される。大半の試合で前半もしくは後半の45分間だけのプレーにとどめていたのは、コンディションやけがとも相談しながらの措置だったのだろう。しかし、限られたプレー時間のなかでもランディは自身のストロングポイントを前面に押し出し、ゴールを量産していった。

 戦っているリーグのレベルそのものが異なる、という指摘もなかにはあるだろう。それでも高校を卒業したばかりのルーキーで、なおかつアルビレックスのトップチームに昇格できなかった経緯を踏まえれば、稀有なサイズの体に搭載された非凡なポテンシャルが、時間の経過とともに開放されてきたことがわかる。

 いわきFCの練習は原則として午前中に行われる。前出のクラブハウスと同じ敷地内にあるドームの物流センター『ドームいわきベース(DIB)』で、午後2時から4時間勤務することで生計を立てる。働きながらサッカーを続ける――春先に抱いていた不安は、すぐにモチベーションへと変わっていった。

「練習を終えた後に仕事はきついな、と思っていたんですけど。ただ、仕事を経験することによって新しい考え方も得られるし、いろいろな方とも交流できる。研修などで話を聞くと、社会人としてのあり方というものは、サッカーにも通じるものがあると思いました。たとえば挨拶にしても、どこへ行ってもそういうことがしっかりできれば、周囲からの見られ方も変わってくる。そういう人間性の部分を学べたと思うし、これからも大事にしていきたい」

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