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ポテンシャルはイブラ級!? 東京五輪世代の19歳、いわきFC・小枇ランディとは何者か【いわきFCの果てなき夢】

シリーズ:いわきFCの果てなき夢 text by 藤江直人 photo by Editorial Staff

ナイジェリア人の父親と日本人の母親の間に生まれた

 ナイジェリア人の父親と日本人の母親の間に、1999年4月30日に栃木県宇都宮市で産声をあげた。小学生になると同時に地元・宇都宮市のサッカークラブ、FCスピリットでサッカーを始め、中学に進学するとFCアネーロ宇都宮U-15で心技体を磨いた。

 サッカーに夢中になったのは、3歳年上の兄の影響を受けたこと大きかった。そして、兄の親友が今夏からベルギーのシントトロイデンVVでプレーするDF小池裕太(前流通経済大学)であり、ランディにとっても小学生のころから一緒にボールを追いかけてきた幼馴染みだった。

 そして、FCアネーロ宇都宮U-15の先輩でもある小池が、高校進学と同時にアルビレックス新潟U-18に加入した。そうした縁もあって、中学卒業時で身長がすでに190cmあったランディもスカウトされる。親元を離れて、新潟の地でプロを目指す道を歩むことに迷いはなかった。

 まだまだ成長していた体を含めて、ランディに宿る稀有な潜在能力にはアルビレックスの関係者も大きな期待をかけていた。しかし、ランディ本人をしてマイペースと認める性格がマイナスに働く。ハッと我に返ったときには「逆に焦ってしまうこともあって」と、新潟での3年間を振り返る。

 いまでも悔しさとともに胸中に色濃く刻まれているのが、U-18の最終学年に上がる直前に右ひざの後十字じん帯を痛め、プレーができなくなった時期だ。

「3年生になると、トップチームへの昇格もかかってくるじゃないですか。そこで気持ちのなかで焦ってしまって、リハビリでも無理をしてしまったというか。結果として復帰してもあまり結果を出せなくて」

 そして、夏休みになって非情な現実が待っていた。トップチームには昇格できないと告げられるに至った理由を、ランディは自らに言い聞かせるようにこう説明する。

「課題の方が多かったと思います。身長の高さという武器はあるんですけど、体そのものを上手く使っていなかったし、高さ以外にはあまり武器がなかった。しっかりと体を作るとか、そういうところからやっていかなければいけない、と思っていました」

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