名波監督との信頼関係は変わらず
J1参入プレーオフを戦った状況を受けて、選手たちの契約更新などの動きは遅れている。東京V戦の勝利から一夜明けた9日になって、J2を戦っていた2014年9月から指揮を執る名波監督の続投がようやく確認された。
日本代表でともに「10番」を背負った指揮官から熱いラブコールを受けて、昨季マリノスからの移籍を決断。磐田を選んだ俊輔も「クラブからはまだ。どうなるかわからない。白紙かもしれないし」と東京V戦後に語ったが、その表情にはまるで悪戯小僧のような笑みを浮べていた。
J1における出場試合数を昨季の30試合から16試合へ、プレー時間を2623分から1077分へ大きく減少させた今季。磐田の未来をかけた東京V戦で、5分が表示された後半アディショナルタイムの5分になって、俊輔はMF山田大記との交代でピッチへ投入されている。
「(監督は)気を使ってくれたと思うんだけど。最初はわからなくて、(山田がいた)左サイドに行ったら、スローインのときに『真ん中だぞ』と言われて」
俊輔は苦笑いでスクランブル出場を振り返ったが、名波監督の意図は違った。一度はボランチのムサエフを呼び寄せながら、直前になって俊輔に変えた。理由は単純明快。勝利が確実な状況でも俊輔の存在を介して、スタジアムの雰囲気をさらに盛り上げるためだった。
「俊輔はボールに一度しか触れなかったど、役割をよく理解してくれた。それでふて腐れるような選手ではないし、チームのために、いまの足の状態でできることを最大限やってくれた」
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