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「海外経験もない、言葉も喋れない“ペーパーS級指導者”に警鐘を」。流経大柏・本田監督が語る育成改革論

text by 本田裕一郎 photo by Hiroyuki Sato

“全く力を出せないS級指導者”がいる現実

本田裕一郎
流経大柏の本田裕一郎監督は日本の育成指導の現状に警鐘を鳴らす【写真:佐藤博之】

 これは朗報ですが、近年は海外でライセンスを取り、現地でコーチしている勇気ある若い日本人指導者が、何人かいます。僅かですがそういった指導者が出てきたことは、やがて日本サッカーの力になるはずです。

 S級資格を持っている指導者の中にも、“海外経験もない”“言葉も喋れない”“ペーパーS級指導者”“全く力を出せないS級指導者”という指導者がまだまだいて、これらに対して警鐘を鳴らし改善されない限り、日本人指導者の進化は望めません。

 ラグビーの元日本代表監督であったエディー・ジョーンズさんが、「ジャパンウェイ」という言葉をラグビー界に残しました。サッカー界にもやがて自然にジャパンズ・ウェイを浸透させることができるでしょう。

 そのためにも、時代を待つのではなく、今何をしたい、今何をすべきかを考えながら日本サッカーを進化させるための行動をとっていくべきだと感じます。

 日本をよくするために改革すべき点は数多くある。それを今から1つ1つ、提言していきたいと思います。

(文:本田裕一郎)

▽本田裕一郎(ほんだ・ゆういちろう)

流通経済大学付属柏高等学校サッカー部監督。1947年静岡県生まれ。順天堂大学卒業後、千葉県市原市教育委員会を経て、75年に市原緑高校サッカー部監督に就任。サッカーとは縁の薄い不毛の地からインターハイに出場する。その後86年に習志野高校に転勤し、福田健二、広山望、玉田圭司らプロ選手を多数輩出する。95年にインターハイで初の全国制覇。2001年より流通経済大学付属柏高等学校の監督を務め、07年に高円宮杯第18回全日本ユースサッカー選手権大会で全国優勝。08年1月の第86回全国高校サッカー選手権大会及び8月のインターハイも制し、3冠を達成した。

【了】

本田裕一郎

『サッカー育成改革論』

 本田裕一郎著
 発売日:12月12日(水)
 定価:本体1600円+税

 高校サッカー三冠を制した流経柏の名将がいま伝えたい真の育成改革案

 今、日本のサッカー界は大きな分岐点を迎えている。日本のサッカー界はプロ化から25年が経ったが、様々なところで検証され、まさに不易流行へと変化していくべきです。良いところは残し、変えるべきところは変えていかなくてはならない。

 真の〝ジャパンズ・ウェイ〟につなげるためにはどうすればいいか。

 本書では、日本でもっともプロ選手を育ててきた流経大柏高校サッカー部の本田裕一郎監督に真の〝ジャパンズ・ウェイ〟につなげるための改善すべき問題をあげながら1つ1つ提言していく。

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