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Jリーグ 6年前

仙台、天皇杯準優勝は新時代の幕開け。渡邉体制6年目はサポーターの望むタイトル獲得へ

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

成長を感じた1年。それでも…

「(天皇杯)準決勝を突破した喜びよりも、数百倍、数万倍悔しい」

 渡邉監督はこう話す。クラブ史上初の天皇杯制覇にあと一歩届かず、悔しさを表さずにはいられなかった。これで仙台の今季は完全に終了。満足いく1年だったかと言えば、そうではなかっただろう。

 ただ、リーグ戦での成績は振るわなかったが、天皇杯決勝に辿り着いた今季のチームは確かな成長を果たしたと言える。選手個々を見てもそうだ。シュミットは日本代表デビューを果たし、板倉滉、椎橋慧也は年代別代表として活躍し、元仙台の西村拓真はJリーグでの活躍が認められ、今年、ロシアのCSKAモスクワに移籍している。

「伸びています、間違いなく。チームとしても選手としてもやれることが増えているし、今日のゲームは選手もやっていて楽しかったんじゃないかなと思っています。僕はやっている選手が楽しくなければ見ている人も楽しくないと思っている。色々な考え方の監督がいると思いますけど、やはりそういうものを追求した先に、勝利があると思います」

 渡邉監督も、確かな成長を感じていた。しかし、同指揮官は「でも…」と話しを続け、以下のコメントを残した。

「このクラブの歴史を振り返ると、やはり(東日本大)震災以降、リーグで4位(2011年)になって2位(2012年)になってACL(AFCチャンピオンズリーグ)に行ったという歴史がありますから、サポーターも(この成績に)満足していないと思うんですよね。もちろん色々なことを冷静に考えると、まだ早いよという本音もありますけど、ACLにもう一度って思いはありますし、今日この悔しさを味わえば、また来年もう一度って思いをみんなが持つと思います」

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