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Jリーグ 6年前

仙台、天皇杯準優勝は新時代の幕開け。渡邉体制6年目はサポーターの望むタイトル獲得へ

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

守護神が感じた浦和との差

シュミット・ダニエル
シュミット・ダニエルは浦和との「差」を感じていた【写真:Getty Images】

 そして、序盤からボールを支配した仙台だったが、セットプレーから失点を喫してしまう。13分、ショートコーナーから長澤和輝がクロスを上げると、これをディフェンスが一度はじき返す。しかし、ペナルティアーク手前で構えていた宇賀神友弥が浮いたボールをバウンドさせずにダイレクトシュート。これがゴールに突き刺さり、浦和に先制点が生まれた。

「蹴る瞬間のところがブラインドになってしまって、その分、反応が遅れた。もうちょっと自分が何かできたんじゃないかなって。準備次第では、止められたと思います」

 シュミットは失点シーンをこう振り返る。崩された形ではなかったから、この1点は仙台の選手たちに決して小さくないショックを与えたはずだ。

 それでも、「宇賀神選手のスーパーゴールで先にスコアを動かされてしまい、難しい試合展開になりましたが、その後はしっかり自分たちがボールを動かして相手を動かして、意図的に相手のゴールに迫るということを表現できたと思います」と渡邉晋監督が話す通り、仙台は自分たちのやるべきことを見失わなかった。失点以降もペースを落とさず、前半は浦和よりも多い6本のシュートを放ったのである。

 後半に入っても、仙台は粘り強く戦った。シュート数は後半だけで10本放ち、相手には2本しか打たせていない。それでも、最後まで浦和の守備陣を崩すことができなかった。0-1で敗戦。その瞬間、タイトルは幻となった。

「フィニッシュまでいくところのラストパスの質とかシュートの精度とか。今日だけではなくてリーグ戦でも感じるところがあったので、そういうところで(浦和との)差を感じました」

 シュミットは最後尾から「差」を感じていた。仙台の課題はまだあるかもしれないが、この試合で最も浮き彫りとなったのは、こうした部分であることは明らか。この点の修正は来季までの宿題となった。

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